小出小学校の校長室に眠っていたピアノが、地域住民の寄付金によって修復され、5月6日に同校体育館でお披露目された。約70年前に学校へ寄贈されたピアノのやさしい音色に、200人ほどが詰めかけた会場は温かな雰囲気に包まれた。
戦後間もない1948年、小出村の住民たちが名産だったサツマイモをお金に換えたり、寄付金を募ったりして小出小に寄贈した1台のヤマハ製ピアノ。授業や卒業式で子どもたちに寄り添ってきたピアノだが、月日が経つにつれ故障を繰り返すように。76年頃には新しいピアノが同校へやって来たため、古いピアノは影を潜め、断線や鍵盤が壊れた状態のまま近年は校長室に置かれていた。
転機は2017年3月。当時の校長・野木直樹さん(62)が卒業式の参列者にピアノの復活を訴え、地域団体「小出地区まちぢから協議会」が呼応。修復に向け、目標額100万円の寄付活動を同年10月にスタートさせた。地域からの善意は予想を上回り、125万円に到達。1年前に業者へ修理を依頼しピアノは甦った。
演奏児童「いい音色」
お披露目では、小出小児童や卒業生の北陽中生徒らが演奏。『ボギー大佐のはとぽっぽ』を姉妹で奏でた西山幸花(さちか)さん(小6)・心乃花(このか)さん(小3)は「軽くて弾きやすく、いい音色。また弾きたい」と笑顔を見せた。復活へ向け尽力したまちぢから協議会・鈴木暹(すすむ)さん(83)は「ピアノは小出の宝。次世代に引き継ぎ、茅ヶ崎の宝になってほしい」。
ピアノは、同校創立150年を迎える4年後までは学校に保管され、その後は校外も含め設置場所を検討していく。なお、調律などピアノの維持を目的に寄付は継続して受付。(問)鈴木さん【携帯電話】090・1123・4041
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