日本神話をテーマとした油絵を全国の神社に奉納している仏人画家、マークエステル氏(70)が5月22日、寒川神社を訪れ、自らが描いた絵画を奉納した。同氏はこれまでに伊勢神宮など全国100カ所以上の神社などに絵を奉納しており、今回が115カ所目。墨絵のぼかしのテクニックなどを駆使し、独特の世界が表現された見事な作品だ。
マークエステルさんは1943年フランス・パリ生まれ。パリの学校で建築や美術を学んだが、その後外務大臣の秘書に。しかし、1970年の大阪万国博の際、京都清水寺で和紙に描かれた水墨画の滲みの技法に魅せられ、外交官としてのキャリアを中断し、芸術の道を歩むことを決意したという。
油彩にテンペラ画の持つ透明性と流動性を持たせる独自の技法を極め、東洋画と西洋画を融合させた独自の技法を確立させる。同氏の生家はコートダジュールでリゾートホテルを営んでおり、壮大な庭園とそれに続く深い紺碧の地中海が混ざり合う独特な雰囲気は、氏の芸術にインスピレーションを与える密かな源泉であり、将来芸術家になる導きに。そこでは米国大統領だったケネディ家の人々、モナコのグレース王妃など世界のそうそうたる名士と親しく交わる特異な環境で育っている。
その後世界各地で個展を開き大活躍となるが、日本での活動も深まり、やがて日本神話へのこだわりを強めるように。1996年には「お伊勢さん2000年」を記念して、日本神話を主題とした大展覧会を開催。ブロンズ像「天照大御神」を伊勢神宮に奉納。これが神社への作品奉納の始まりだった。
同氏は日本語も堪能で、寒川神社の見学では関係者に気軽に話しかけるなど、楽しんでいる様子だった。
また、5月23日から3日間、藤沢産業センターで「マークエステルの世界」を開催。多くの入場者で賑わった。古事記編纂1300年と同氏の来日を記念しておこなったこの催し。藤沢には「マークエステル藤沢後援会」があり、同団体の尽力もありこの企画が実現したという。
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