ラメール洋菓子店のスー(副)シェフ・伊藤忠重さん(29)が「第13回キリクリームチーズコンクール」の焼菓子部門で優勝した。プロ向けのコンクールとしては国内トップレベルで、かつては同店の大関博之社長も優勝しており、念願の師弟受賞実現となった。
伊藤さんの受賞作品は「ゴマ味噌香る芳醇チーズ〜山椒の辛味をピリッと利かせて〜」。高知県仁淀川産の山椒をアクセントに、甘い西京味噌や徳島産のすだち酎を使用するなど、甘い焼菓子にゴマ味噌がほんのり香り、チーズの味がドンと来る仕上がりとなった。何度も試作を繰り返し「全部の素材が個が強く、四角を丸にするぐらいの工夫をした」と伊藤さんは話す。濃厚なキリクリームチーズの特徴を生かし、絶妙な塩味はスパイスで引き立たせ、濃厚なコクからまろやかさを引き出した。自身がお気に入りのフランス菓子カヌレの形状を模した。ワインやシャンパンのつまみにも最適。
伊藤さんは前々回の大会で銀賞を獲得したが、優勝を視野に入れた前回はまさかの書類選考落選。大会は2年に1回で「この4年間長かった。嬉しいと同時にほっとした。このコンクールにかける思いは強かったですから」と喜びを語る。
15年前のこの大会では大関社長が優勝しており「15年振り2度目の甲子園制覇という感じで嬉しいですね」と夏の風物詩に例えて教え子の優勝を喜んだ。大関社長の優勝作品「スティックキリ」は寒川町の特産品にもなり、今も人気商品として店頭に並んでいる。「受賞の瞬間は候補者が座る丸テーブルにスポットライトが当たる演出なのです。それを味わあせてあげられてよかった」と大関社長は目を細める。これまでの優勝作品には商品化のオファーが来ることも多いそうで、伊藤さんの作品が全国にはばたく可能性もある。
ジュニア部門高坂さん銀賞
ジュニア部門では同店の高坂翔さん(22)が銀賞を受賞した。作品「まっちゃふろ和ーじゅ」はキリクリームチーズを中心に抹茶ムースで全体を覆い、チョコレートや大納言を配して、濃厚なチーズと抹茶をバランスよく仕上げた。「社長や伊藤さんの挑戦を見て、自分もと思った。初参加で受賞できて嬉しい」と笑顔が輝いた。
2人の作品は店頭で購入することができる。なお、大会の模様はフジテレビが取材しており、秋ごろBSで放映予定だという。
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