9月末の寒川町総合防災訓練からわずか2週間。台風19号は城山ダムの緊急放流など、過去にない経験を町にもたらした。初めて行った広域避難所で、眠れぬ夜を明かした人も多かったのではなかろうか。一部の避難者にこの日を振り返ってもらった。
町内で最も避難者が多かったのが総合体育館(720人・20時時点)。武道場やメイン・サブアリーナも開放しロビーには数十頭の犬と飼い主が身を寄せた。比較的標高の高い寒小は体育館ステージまで人が入り、積み下ろしの車で混雑。高台の駐車場を探す人も多かった。寒中は夕方に避難者が急増、関係者が対応に追われた。東中付近は広く冠水した過去もあり、近隣住民は移動を避けた模様。寒川高校は広域避難所だが、この日は開放されなかった。各避難所内は嵐で窓が開けられず「暑かった」という声も。
避難所によってはテレビがなく、高齢世代からは「緊急放流するのに情報が入らない」「若者のスマホが頼りで逐一教えてもらった」。放流時刻の頃、校舎上階への移動を促した所もあり、総合体育館では1階の人々が順次客席に移動。ペットは外階段から上がった。
停電した田端に暮らす男性は「停電でお湯も沸かせない事が分かり、子連れの避難をためらった。液体ミルクの備蓄があれば」。校舎階段の片隅などを探して授乳したり、オムツ交換する親もいた模様。また子どもたちが賑やかにはしゃいだり、大型シートを広げて陣取る、携帯充電器の挿しっ放しといったマナーを指摘する声も。ペット用ケージを持たずに犬を連れてきた飼い主も多く、体育館に入れないため家に戻ったり、犬と車中泊する人もいた。避難時は食料と水の持参を呼びかけたため、家族全員の物資を引きずるように持ち込む人もいたという。
自治会役員からは「教訓を生かす」「あたふたでした」という声、自宅にとどまった高齢者をおもんぱかる人も。「車で連れて行くよと言っても、迷惑かけるからいいと」。苦慮する側もまた高齢者が多かった。
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