神川橋近くの相模川河川敷で、一風変わった飛行機を飛ばす男性がいる。送信機で動かす様子はラジコン飛行機のようだが、音もなくひらひらと舞うようだ。大きく異なるのが、ハンマー投げのように、思い切り放り投げて飛ばすこと。
松下成夫さん(71)によると「ハンドランチグライダー」に没頭してもう2年。これまで半世紀にわたって様々なラジコンやドローンを扱った。このグライダーに出会ったときは、静寂性に驚いたという。カーボン製の機体はわずか200グラム。飛ばすと高度40mほどを旋回した後、ふわりふわりと降り、見えない糸に引かれるように松下さんの手に帰ってきた。羽は動くがプロペラもエンジンもない。ゆえに上昇気流をつかむ必要がある。「風と遊ぶ感覚ですね。あおられたりすることもあるけど100回飛ばせば100通りの飛び方をするのが面白い。私はまだ初心者。あれが私の先生です」。指差す先にトビが滑空していた。
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