寒川中学校が第32回時事通信社「教育奨励賞」優良賞を受賞した。教員が週に一回集まる「モラルスタディ(モラスタ)」と命名した道徳教育の授業作りを検討する場を設け、実践研究を行っている点が評価されたという。
教材にケツメイシの曲も
同校では、「自分大好き、友達大好き、学校大好き、生きるって素晴らしい!」という学校目標があり、これを実現するために始めたのが、学校全体で組織的に道徳教育をレベルアップする取り組みだった。その方策の一つが授業作りを話し合う「モラルスタディ(モラスタ)」だ。
同校は各学年3クラスの編成で、教科担当者も少なく、切磋琢磨しながら教え方を研究するのが難しかったという。そこで着目したのが、道徳は教科担当制ではなく、どの先生も教えられるということ。モラスタで授業研究を行うことで、それぞれの担当教科に生かすという狙いもあった。
モラスタは授業の前に担任や副担任が集まり、教材の選定や教え方のポイントなどを話し合う。授業後に再度集まって検討を重ねる。別の学年の教員も参加するなど、違う視点からの意見も取り入れる。効果や反省点を話し合うのだ。
5月の1年生のテーマは「友情」「友達」だった。モラスタで生徒たちに人気のケツメイシの曲を使うことが提案され、これを使ってクラスごとに手法を変えて教えることになった。
ケツメイシの曲『仲間』は「楽しいだけが仲間じゃないだろ」「周り見ろ いるぜ 多くの仲間」など、友情を想起させる言葉が並ぶ。ある教室では事前に欲しい友達像を抽出させた上で、『仲間』の歌詞を配り、曲を聞かせながら気に入ったフレーズに下線を引かせた。その後あらためて「どんな友達がほしいか」と尋ね、最初と友人像が変わった理由などを発表し合った。生徒たちの目はイキイキとしていたという。
中学で受賞は少数
今回の教育奨励賞は「授業の革新」の分野で受賞したが、全国から集まった27件の内訳は小学校が圧倒的に多く、中学、高校は少なかったという。寒川中の「優良賞」受賞は特筆ものといえる。
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