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平塚版 公開:2011年1月20日 エリアトップへ

タウン レポート 「多角化」で不況を乗り切れ 進和学園 新規事業で工賃獲得へ

公開:2011年1月20日

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授産施設「しんわルネッサンス」内。利用者が極細の筆を手に、一つひとつ丁寧にだるまに色をつけていく
授産施設「しんわルネッサンス」内。利用者が極細の筆を手に、一つひとつ丁寧にだるまに色をつけていく

「地元企業とコラボ
市場に通じる製品を」

 リーマンショック以降の景気低迷の煽りは、障害者の工賃や就労機会を支える授産施設にも波及している。市内で授産施設を運営する社会福祉法人進和学園では不景気に負けじと、利用者の工賃アップを目指し、「経営の多角化」で難局に挑んでいる。

 学園の授産施設には現在、235人の知的障害者が通所する。その工賃の大半を支えるのは本田技研工業(株)から発注される自動車部品の加工作業。平成19年度には売上全体の92%を占め、約160人が加工に当たっていた。しかし、世界的景気低迷によって自動車需要は冷え込み、部品加工の受注も減少。現在も同社発注の仕事は事業全体の8割を占めるが、メーカーが生産工場の海外移転を迫られるなか、今後の取引は不透明だ。

 そこで同学園では、「大口顧客」への過度な依存から脱却するため、事業の多角化に乗り出している。「地元企業とのコラボが鍵」と、学園の窓口会社として民間企業に営業アプローチをする、(株)研進の出縄貴文社長は話す。

 同学園は昨年から、地元スーパー「しまむらストアー」の3店舗の一角を提供してもらい、従来手がけていた農産物や陶芸品などの販路を拡大。さらに新規事業として、「だるまの色付け」「紅茶の梱包」といった生産ラインを次々と立ち上げている。

 だるまの色付けは、市内長嶋だるま店が後継者不足の一策として、同学園に依頼。作業はだるまに白塗り、赤塗り、顔の縁取りなどを手作業で加えるもので、専門性の高い技術を要することから、当初は全品廃棄の“憂き目”にもあったという。しかし、現在までに700個を出荷。学園職員の瀬戸利彦さんは「利用者は手先の感覚が繊細で、手書きの良さを上手く出せるようになっている」と話す。

 紅茶の梱包は大磯町の企業、ケイスファイブが発注。同社は経営者の加瀬さやかさんが、福祉の勉強でスウェーデンに渡った際に出会ったという、こだわりの茶葉を輸入している。地元の同学園を知り、茶葉の計量と梱包の全ての作業を依頼した。

 研進職員の石井輝美さんは「袋にシールを貼る位置が1mmもずれないようにと気を配る繊細さに、加瀬さんも驚いていますよ」と胸を張る。

 出縄社長は「自動車部品の加工で、利用者の品質への意識は高い。学園単体で自主製品を立ち上げるのは難しいが、福祉に理解ある地元企業と連携し、市場に通じる製品を世に出していければ」と、不景気にもキラリと光る可能性を見据えている。

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