平塚市赤十字奉仕団の委員長を務める 相原 隆文さん 四之宮在住 59歳
人を救うためにできること
○…「節電や消耗品の買いだめを控えるなどして、余分なものは使わない。今は現地のプロに任せる。募金に協力してくれている皆さんにはとても感謝しています」。11日に発生した東日本大震災について、つとめて冷静に話す。「正しい情報を得て判断し、被災者の後方支援をしたい」と熱意を込める。地元で大きな被害がなくても、テレビから流れる被災状況に不安を抱える一人暮らしの高齢者がいれば、「近所の住民が協力して積極的なコミュニケーションをとる」のも自分たちができることのひとつ。「人は一人でいると不安感が増していくからね」。
○…奉仕の精神に目覚めたきっかけは子どもが生まれたとき。赤子の脈をとるのもおぼつかない妻の姿を見て「万が一のとき、自分もしっかりしないと」。当時、大磯町で行われていた救急法救急員養成講習会に参加した。その際、「救命技術を持つ人を多く輩出した分だけ自分や家族も助けてもらえる」。助け合いの社会をつくる使命感が深く刻まれたという。
○…工業高校の教員で現在は妻と2人暮らし。2人の子どもは自立し家庭を築いている。3人の孫の話に及ぶと「やっぱり特別かわいいって本当だね」と目じりを下げる。20代から継続している藤本流の民謡三味線は師範の腕前。「やればやっただけ技量が身につく」のが魅力だと目を輝かせる。年に2回ほど福祉施設を訪問して披露することも。妻には「これ以上趣味を増やさないで」と小言をもらう。それでもチャレンジする意欲は尽きない。
○…AEDを用いた日赤救急法基礎講習会を頻繁に開くなど、日夜安全思想の普及に努める。募金活動や赤十字の啓蒙活動などもそのひとつ。「人を救うためにできることがあるって大切なことでしょう」と話す顔には教育者や奉仕団としてではない、一人の人間としての信念をのぞかせた。
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