11日に発生した東日本大震災を受け、市内の様々な団体による防災の啓発活動が広がりを見せている。ダンボールを使った簡易トイレや、保存食をおいしく食べる方法、牛乳パックで作る家具固定器など、市民目線のユニークな発想で行われている取組みを取材した。
ダンボールで作る簡易トイレ
「ダンボールとガムテープで衛生的な簡易トイレが手軽に作れる」という取組みを行っているのが、市内で活動している女性防災クラブ「平塚パワーズ」だ。
同団体は、阪神大震災を受けて市が開催した「女性防災リーダー育成研修」から誕生した。地域の防災訓練や市内のイベント等で講演や防災グッズの紹介、応急手当や搬送法などの啓発活動を行っている。
3月6日には仙台市で行われた「災害に強いコミュニティーのための市民フォーラム」に招かれていた。その時に披露した簡易トイレの作り方が聴講者に好評で、担当職員からも「ぜひ詳しい作り方を教えて欲しい」と言われていたという。
その5日後、震災が起こった。何とか連絡が取れないかと試みてみたが電話は繋がらず、フォーラムで関わった人たちの安否もわからないまま。ようやく連絡が取れてホッとしたのもつかの間、開口一番言われたのが「この前のトイレの作り方をすぐに送って欲しい」。すぐに資料を作成し、データを転送した。
「災害時に水や食料などと並んで重要になるのが、実はトイレの問題」と菅野由美子会長は話す。頑丈なダンボールトイレは大人が座っても潰れず、ビニール袋や吸水性のあるオムツ、ペットトイレ用の砂などを併用すれば繰り返し使うことが出来る。今回、その重要性を再認識したメンバーは「今後も知恵を出し合い改良して、より皆さんに知ってもらえるよう努力したい」と話している。詳細は市防災危機管理課【電話】0463(21)9734
保存食をおいしく食べる
平塚市料理飲食業組合連合会は19日、松風町自治会の催しにあわせ、平塚市備蓄保存食の試食会を開いた。
同連合会では地域の防災訓練などに参加し、乾パンを牛乳や玉子に浸してプリンのようにしたり、フリーズドライのスープに野菜や赤ワインを入れて味付けしたりと、保存食の美味しいレシピを紹介している。
当日、エプロン姿で保存食を振舞ったのは、市内で仏料理店を営む尾鷲幸男さん。「辛い避難所生活ではせめて食事だけでも楽しく」と語る。口にした住民の反応も上々で、あっと言う間に空となった鍋を前に目尻を下げていた。詳細は同連合会事務局【電話】0463(32)7792
牛乳パックで家具固定
牛乳パックの家具固定器具の作り方を紹介する講習会が25日、開かれた。作り方は実に簡単。まず牛乳パックを側面だけ残して切り開き、三角柱を作る。これをダンボール箱に詰めれば出来上がり。高い棚の上に乗せて天井との空間を埋めれば、地震で揺れても棚が倒れないというわけだ。
指導した市民団体、『災害から未(あ)来(す)を守る平塚』の渡邊豪さんは、親交のあった東京大学の教授からこの方法を教わったという。「明日からでもできる効果的な防災法です」と胸を張る。
同様の講習は4月1日にも、ひらつか市民活動センターで行われる。時間は10時から。参加自由。カッターかハサミを持参。
緊急時に役立つ「救急法の基礎」
日赤神奈川県支部平塚市地区による赤十字救急法基礎講習会が4月17日(日)、中央公民館で行われる。時間は正午から16時。実施団体は市赤十字奉仕団。
講習内容は実技と学科があり、心肺蘇生法・AEDの使用法・気道異物除去などの一次救命処置を学び、救急法の知識と技術を身につける。申込は4月4日まで。(問)平塚市福祉総務課【電話】0463(23)1111
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