タウンレポート 人気過熱 緑のカーテン
ゴーヤー配布に殺到種苗店では品薄状態
懸念される夏場の電力不足を受け、空調温度を高めに設定したり、軽装を奨励するクールビズを多くの企業が導入したりと節電対策が熱を帯びるなか、植物の力で暑さを乗り切ろうという「緑のカーテン」への関心が高まっている。
家庭でも取り組める節電対策として注目される緑のカーテンは、ゴーヤーやヘチマなどつる性の植物をベランダや窓際で育て、日よけ代わりに活用するもの。葉の表面から水分が蒸散する作用で、打ち水に似た効果も得られるという。
市では、平成20年から市民にゴーヤーの苗を無料で配布し、自宅で実践してもらう「クールタウン作戦」を展開。市庁舎でも、環境政策課が主導でカーテンづくりに取り組んでいる。
同課によると、昨年8月に効果を測定したところ、市庁舎4階の西側ではカーテンの外側と内側で最大8・3度の温度差を記録した。同課の端山博実さんは「カーテンがあったほうが涼しいと感じるといった声や、設置を楽しみにしている職員も多い」と話す。
今年は、市民に配布する苗として300株を用意。5月13日から募集を始めたところ、瞬く間に予定数を上回る問合せがあった。「これほど早く定員に達することは過去になかった。震災の影響で節電意識が高まっていることも関係しているのでは」(端山さん)という人気ぶりだ。
同課では、里山保全団体や職員有志による育苗ボランティアらの力を借りて追加苗の栽培を進めているが、希望者全員に行き渡る苗を用意することは難しいという。
ゴーヤー苗を扱う種苗店や園芸店でも、品薄が続いている。
市内のある種苗店では、食用のために育てる価格の高いゴーヤー苗を扱っているが、同じつる性のヘチマや夕顔とともに例年にない売れ行き。今月4日に入荷した40苗のゴーヤーは、その日だけで半数近くが売れたという。「例年、5月の連休以降は売れ行きが落ち着くものだが、今年はまだ続いている。市場でも品薄と聞くし、価格も上がっているようだ」と店主は話す。
めぐみが丘自治会は、クールタウン作戦の一環として緑のカーテンづくりを地域ぐるみで実践している。3年目を迎えた今年は60世帯が参加し、壁面緑化と来年使用する種の採取に取り組む。小林久美会長は「めぐみが丘の住民は平塚に越してきた人がほとんどで、ゴーヤーづくりが交流のきっかけにもなっています」と話していた。
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