「3.11生活復興支援プロジェクト」のプロジェクトリーダー 下田奈祐(だいすけ)さん 東海大学建築学科4年
学生の発想で被災地支援
○…東日本大震災直後、学生が主体となって復興に取り組む支援プロジェクトを立ち上げ、リーダーとして激動の1年を送った。間伐材のウッドブロックで造る応急住宅「どんぐりハウス」を、岩手県三陸町、宮城県石巻市などに建設し、公民館や集会所、図書館として活用を図るほか、子どもたちの精神的なケアや地域コミュニティの再生に向けた企画を現地で実施するなど、学生の目線で継続的な復興支援を実践している。
○…工学部建築学科の学生などが、毎年夏に平塚海岸で海の家を建設するビーチハウスプロジェクトのリーダーとして、活動を始めた矢先の震災だった。09年には自身が設計したビーチハウスがグッドデザイン賞を受賞するなど、プロジェクトへの思いは強かった。続けるべきか、中止すべきか。「ビーチハウスを建設し、運営してきた経験を、今度は震災復興に生かそう」。答えはすぐに出た。他学部の学生や教授と連携し、被災地支援に舵を切った。
○…6月に建設した石巻市のどんぐりハウスは、地元住民と協力しながら完成にこぎつけた。「仮設住宅にはない木造の建物を見て、皆さん喜んでくれた。『本当はもっと良い場所だから、何年か経ったらまた遊びにおいで』と声をかけてくれたことが本当に嬉しくて」と笑う。平塚海岸にビーチハウスを建てることはできなかったが、被災者の優しさに触れ、活動の成果をかみ締めた瞬間だった。
○…「小学生の頃から、住宅雑誌を読んだり間取りを考えたりするのが好きでした」と少年時代を振り返る。卒業後は大学院に進学し、人が集う空間デザインや自然との共生という自身のテーマを追求していく。夢は設計事務所を構え、祖母の代から続く実家の美容室をデザインすること。設計士への道はまだまだ遠いが、美容室の構想は着々と練りあがっている。
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