攻撃的姿勢常に崩さず
湘南ベルマーレの快進撃が止まらない―。開幕から8試合を終えて7勝1分け。無敗で首位を走る。反町監督をはじめ、アジエルや臼井、田原などJ1昇格を支えた選手が去り、若手中心のチームに生まれ変わった今季の湘南。その戦いぶりにサッカーファンの注目度も高まり始めている。
シーズン開幕前、一体だれがこの好調ぶりを想像しただろう。専門誌やネット上の予想では軒並み低評価。それどころかユニフォームの胸スポンサーは昨季に続き空いた状況で、存続危機の噂さえ囁かれた。多くの湘南サポーターの関心事はもはや昇格ではなくなっていた。
しかし迎えた開幕戦。試合前のあいさつで、真壁社長はその噂を完全否定する。「これからも、自分たちの街にはプロサッカーチームがある」。胸をなでおろすサポーターに、もう1つのプレゼントが待っていた。天皇杯で準優勝した昇格候補筆頭の京都に、先制を許しながらも試合終了間際の大逆転劇を演じてみせたのだ。それから7試合、すべて複数得点を挙げ、8節終了時点で首位に立っている。
好調の要因を、サポーター団体「EL FRENTE SHONAN」の大久保祐三代表は、「若いチームだけに、サッカーの基本ともいうべき走ることが徹底されている」と分析。確かに今季はよく走る。相手からボールを奪えば他の選手もゴールを目指し、疲れが溜まる終盤でもがむしゃらにボールを前へ運ぶ。
常に攻めの姿勢を崩さないのも特徴で、その象徴的な試合が7節の町田戦。1対0とリードし、終了までわずかとなった82分、定石どおりの采配なら守備固めで手堅く勝利を手繰り寄せる時間帯に曺監督がFWの馬場に代えて送ったのは、同じFWのマセナだった。ゲーム運びもそう。時間稼ぎに無駄なボールキープはせず、残り時間を惜しむようにピッチを駆ける姿は、サッカーを楽しむ少年のよう。大久保代表は言う。「ひたすら走り泥臭く戦う姿は見ていて気持ち良い」と。
とはいえ、シーズンは5分の1を消化しただけ。次節は2位の東京V、5月3日には宿敵・甲府をホームに迎える。強豪との対決は真の実力を測るのに絶好の相手。地元出身の若い選手も多く、その勢いを本物にするためにもサポーターの後押しが重要であることは間違いない。
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