昔の遊び教室など世代間交流も
夏休み中の吉沢小学校で23日、けん玉やメンコ、あやとりといった昔ながらの遊びを小学生に体験してもらうユニークな教室が開かれた。主催は、吉沢公民館と、同公民館を拠点に地域サロンを運営する地元住民組織「居場所づくり隊」。住民と公民館のユニークな地域づくりを追った。
この日、吉沢小の校舎に集まったのは、地元高齢者ら10人と小学生40人。けん玉を操ったり、メンコを返したりと、遊び方の手本を見せられると、子どもたちも悪戦苦闘しながら遊びに興じた。
普段はサッカーやゲームをして遊んでいるという小学生の男子の一人は「やったことのない遊び。意外と面白かった」と目を丸くして喜んだ。
今回学校を訪問した「居場所づくり隊」は昨年から、住民が気軽に立ち寄れるサロンを公民館と協働で運営。メンバーのほとんどが、地元の定年退職者らシルバー世代だ。
同隊と公民館の運営する「夢広場」は、地元高齢者が月2回、地域の中で孤立を感じないように顔を合わせる社交の場。小学生を公民館に迎えて一緒に童謡を歌ったり、地元の高齢者施設に訪問して合唱を披露したりと、地域内交流の場も創出している。
また、共働き家庭の小学生らを見守る場として、神奈川大の学生ボランティアを公民館に招き、子どもに勉強を教えてもらう「寺小屋」といった事業も定期的に開催。習字や絵画の得意な高齢者が指導することもあるという。
今回の昔の遊び体験も、そうした社会づくりの延長線上に描かれた企画。同隊リーダーの秋山貢さん(66)は「吉沢は独居高齢者は他所と比べて少ないし、隣近所の付き合いも濃い。しかし、吉沢地区でも例外ではなくなるだろうし、今から地域で顔の見える交流を世代を越えて根付かせることが大事だ」と話す。
子どもに同伴して参加した母親の一人は「昔の遊びは祖父母の実家で教えてもらうこともあるが、こうした機会が身近にあることは子どもにとって貴重」と喜んだ。
吉沢公民館主事の水越陽子さんも「核家族や少子化、地域のつながりの希薄化という現代課題に対し、『ゆめ広場』や『寺小屋』は少しずつ地域に浸透している」と、取り組みの成果に期待を寄せている。
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