平塚八幡宮の宮司に就任した 宅野順彦(よしひこ)さん 宮の前在住 39歳
訪れる人の心の拠り所に
○…平塚八幡宮役員からの推薦を受け、神社本庁から同神社の宮司に任命された。祖父である先代宮司が逝去したため、跡を継ぐための就任。「先代以外に神職がいないので、自分が跡を継がなければと思った」と真剣な面持ち。およそ1630年前、第16代仁徳天皇の頃から鎮座しているとされる歴史ある神社の宮司としての責任感が、言葉の端々に滲む。
○…2000年から約12年、同神社の禰宜(ねぎ)として、先代宮司の補佐を担ってきた。ここ2年ほどは体調を崩し表に出られなかった先代の代理として、宮司の職務にあたることが多かったそうだ。「やることは今までとそう変わらないが、代理という立場で立つのと、代表者として立つのとでは責任感が全然違う」と話す。今は亡き先代の存在の大きさを感じながらも、「神社のことを考えてるのは楽しい」と、笑顔をのぞかせる。
○…平塚で生まれ、宮司を務める祖父の背中を見て育った。いたずらっ子で境内を駆け回っていたという子どもの頃から、祭りの手伝いなど神社に関わっていた。「先代から色々な話を聞いたり教えてもらったりするのが楽しかった」と当時を振り返る。いつかは跡を継ぐという思いが自然と生まれ、祖父も通った神職を養成する学部を持つ國學院(こくがくいん)大学に進学。神社を手伝いながら勉学に励み、卒業後から17年、平塚八幡宮で神職の務めを果たしている。
○…「神社で奉仕する我々一人ひとりがそれぞれの持ち味を引き立てあい、一つのものを作り上げることができれば」と、これからの展望を話す。参拝者と”神様”という目に見えない存在を繋ぐ役割を持つ神社。先代から受け継がれたものを守りながら、時代と共に変わりゆく人々の悩みや苦しみに寄り添っていく。「訪れる人の心の拠り所になる場所にしたい」と、静かだが力強い口調で語った。
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