河野通勢ら作品156点寄贈 美術館の「新たな財産」
市美術館にこのほど156点の作品が寄贈され、19日に落合克宏市長による寄贈者への感謝状授与が行われた。
寄贈されたのは、河野(こうの)通勢(みちせい)(1895-1950)の作品153点と、木下晋さん(1947年生まれ)の作品3点。河野通勢の息子である河野恒人さんと木下晋さん本人がそれぞれ寄贈した。
河野通勢については2008年に「大正の鬼才 河野通勢 新発見作品を中心に」、木下晋さんは2012年に「木下晋展―祈りの心―」と、いずれも同美術館が特集展を開催したことが縁となり、今回の寄贈に至ったという。
河野さんは、「もともと美術館をつくりたいと思っていた。皆さんに作品を愛してもらえたらうれしい」と話し、木下さんは、「所蔵するということは、作品が半永久的に残るという意味でもある。作家としてもありがたいし、名誉なことだと思っています」と、素直な気持ちを述べていた。
寄贈された河野通勢の作品は、通勢が20代のころに描いた、初期の作品が多いという。後に挿絵などが多くなっていくが、このころは細密画を主としており、美術館の学芸主管である土方明司さんは「通勢のオリジナルが濃密に出ている頃の作品」と説明する。
木下さんは、昨年の特集展のために描いた、東日本大震災に対する鎮魂の思いを込めた230cm×125cmの大作「祈りの塔」(写真左方)などを寄贈。木下さんは「一番の代表作。見てもらえたらうれしい」と話した。
河野通勢は長野県長野市出身の画家で、『項羽と劉邦』の挿絵のほか、大衆小説の挿絵を多く手がけ、活躍した。木下晋さんは富山県富山市出身の画家。鉛筆で描くモノクロームの光と影による圧倒的な表現で、現代絵画に新たな領域を確立した。
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