リニューアルされた「紅谷町まちかど広場」のバックパネルをデザインした 出川碧さん 東海大学教養学部芸術学科3年
まちかど広場の「顔」描く
○…自らが手がけた作品を「こんなにきれいな色になるなんて。予想以上に良い出来です」と、驚きとうれしさが入り混じった表情で見上げる。4年ぶりに表情を変えた紅谷町まちかど広場の”顔”は、「七夕の街ひらつか」をテーマに、七夕飾りやさまざまな模様があしらわれ、キャラクターが舞っているような立体感のある絵に仕上がった。「動きがあるのが私の絵の特徴なんです」と、丸い瞳を輝かせながら話す。
○…子供の頃から動物が好きで、親に連れて行ってもらった動物園では、動きをじっと観察した。今でも絵を描く際に、対象物がアニメーションのように動いていく様が頭の中で展開されるといい、「何かを見るにつけ、とにかく動きに注目していたからかもしれません」と、その所以を話す。買ってもらった自由帳は瞬く間に絵で埋め尽くされ、「紙とペンさえあれば、私は生きていけると思っていました」と、絵描きに夢中だった幼少時代を振り返る。
○…日本の文化が好きで、自ずと作品にも表れる。昨年、東京ビッグサイトで開かれた「デザインフェスタ」に出展し、自身が描いた「きつねの妖怪」を冊子にまとめて販売したところ150部が完売した。「神聖なものというイメージで」描いたきつねのイラストは来場客に『あなたのブランドだね』と言われ、独特のタッチが好評だった。今回のパネルも七夕という日本古来の伝統行事を描ける格好の場。「雅やかな日本らしさを表現したい」という思いを作品に投影した。
○…将来については、「ずっと絵を描いていたい」と話し、「勉強のためにいろいろな業界を視野に入れて活動するつもりです」と、目前に控えた就職活動に向け動き出す。「地元の千葉県で個展を開いてみたい」という密やかな夢も抱いている。来年の桜が満開になる頃、パレットの中は新たな色で溢れていることだろう。
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