土屋里地里山再生グループの会長を務める 原 安雄さん 土屋在住 63歳
次代へ残す地域の魅力
○…生まれ育った地域が高齢化や相続放棄などを理由に、荒廃地が増える現状に心を痛めていた。そんな中、里地里山の保全に関する県条例の地域に選定されたことがきっかけで同グループの設立に参加。4年が経過し、荒れた水田はブルーベリーやミカンなど四季折々の味覚が実る果樹園へと地目を変え、仲間の協力や地主との連携を図りながら、これまで2ヘクタールに上る荒廃地の利活用に尽力してきた。「最初はやってみるかという意気込みだけ。竹林になっていた農地もあって酷い状態だった」と振り返る。
○…同グループは年に数回、キャンプやミカン狩り、料理教室など土屋の里山を遊びの舞台とした数々のイベントを行っており、今週末には源平合戦と銘打ったホタルの鑑賞会を実施する。イベントのほとんどは、自身の幼少期の体験がアイデアの源だ。「遊び大好き人間だから、楽しかったなと思ったことを辿っているだけ」と笑う。回数を重ねるごとに、訪れた参加者が関心を持ってくれることに手応えを感じている。
○…会長職3年目を迎え、会員も45人までに増えた。「嫌々やらされるようでは汗をかく仕事は長続きしない」というのが持論で、活動は会員らの自主性に任せる主義を貫く。3人の孫にも同じ主義で「悪く言えば放任?子どもの頃の経験はその後の糧になるんじゃないかな」と目尻を下げる。
○…100ヘクタール以上と見積もる荒廃地の整備が今後も続く課題の一つ。市民団体としての活動に限界を感じており、法人化を視野に入れている。そのためには多くの若い力が必要と説き、人材確保には安定した収入源が必要と考えている。「地域が荒んでしまうと、人もダメになってしまう。息子たちの世代が土屋に住み続けてくれるよう、魅力ある地域にしなければ」と、力強く次代を見据えた。
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