第32回東海大学外国人留学生による日本語スピーチコンテストで学長賞を受賞した アショー アハメドさん 東海大学1年 21歳
”片手で拍手はできない”
○…母国では友人の結婚式にも行かないほど人見知りで、あまり外出もしなかったという。日本に来て「日本語を上達させたい」と強く思い、積極的に友人の輪を広げている。出場のきっかけは「スピーチが好きだから」。来日してから各種コンテストに6回出場。「自分の気持ちをどう表現すれば、伝えられるかが難しかった。皆さんのおかげで学長賞を頂けて本当に嬉しい」と優しく微笑む。
○…スピーチのテーマは「私の目で見える世界」。色覚障害である自分の体験から、多くの人へ理解を呼び掛けた。「みんな違ってみんな良い」。大阪の日本語学校の教師から教わった言葉から、自分にしか見えない特別な世界を肯定的に考えようと決めたという。「色覚障害だけじゃなく、みんなどこか人と違ったところを持っているはず。今ではこの目に生まれたことを誇りに思っている」。
○…日本の技術力に惚れ込み2011年5月に来日。当初東京へ行く予定だったが、東日本大震災があったため大阪日本語教育センターに入学した。「関西弁は難しかった」と苦笑い。現在は東海大学でコンピューター応用工学を学んでいる。「院へ進学もしたいし、日本でシステムエンジニアとしても働きたい。将来は母国で日本との懸け橋になれれば」と夢は膨らむ。
○…7人兄妹の末っ子。父親から「私の可愛い息子。会いたいよ」と度々メールが届くほど、家族との絆が強い。好きな言葉は「片手で拍手はできない」という出身国サウジアラビアの言葉。人は一人では生きていけない。家族や友人を大切にという意味で、「多くの人に伝えたい」と真っ直ぐな眼差し。恋愛の話題になると、大阪で出会った女性に片思い中の学生らしい顔も。彼女へのメールでは「いつも支えてくれてありがとう」と、感謝の気持ちが自然と出てくるという。慈愛に満ちたその瞳に映る世界は、温かく優しい心で溢れている。
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