女川へ鎮魂の地蔵堂 中原の丸山さんら制作
東日本大震災で津波を被った桜の木を仏像として甦らせる活動に市内中原の丸山博正さんらが協力し、ボランティアで地蔵堂を制作した。京都の木地師小田(しょうだ)健太郎さんが地蔵菩薩を彫り、完成した仏像を携え2月22日に平塚を訪問。関係者が集い、完成を祝った。
仏像制作を依頼したのは、宮城県女川町で桜の保存・植樹活動をする女川桜守(も)りの会。枯死した桜の切り株を保管していたところ、同町を訪れた僧侶から「桜の木は仏像に適しているので作ってはどうか」と提案された。仮設商店街の店舗で使うレジ台や棚を製作するなど復興支援活動で同町と関わりのあった丸山さんと大和市の伊藤健一さんを通じ、小田さんが無償で仏像を彫ることを引き受けた。地蔵菩薩は高さ約60cm。小田さんは「辛い経験をした人が多いので、気持ちが和むようにふくよかなお地蔵さんを彫った」と話す。
定年退職後、自宅の庭に「もったいない工房正.」を開き、家具などを作っている丸山さんは昨年3月に設計図を起こし、1年近くかけて伊藤さんとともに地蔵堂を完成させた。仏像の台座には犠牲者名簿を入れる引き出しを付けた。屋根の銅板葺きだけはプロに頼んだ。「建物を造るのは初めてだったが、女川の人々の心の安らぎになれば製作した甲斐がある」とほほ笑む。
仏像と地蔵堂は3月11日、丸山さんらがトラックで女川町へ運ぶ。12日に同町で開眼法要が行われる。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>