タウンレポート 年間1000人超が参加 豊田地区「みんなのサロン」
「歩いてすぐ」が奏功
高齢者の孤立を防ぐために誰もが訪れやすい場所をつくろうと、豊田地区住民が「みんなのサロン」を6会場で開催している。市がすすめる「町内福祉村」の代わりに、4会場でスタートしてから2年弱、昨年度1年間で延べ1071人が参加するなど賑わいを見せている。今年4月には7つ目の会場も開設された。
サロン発足は市が1999年からすすめている「町内福祉村」の開設を豊田地区にも持ちかけたことがきっかけだった。地域互助を目的とする町内福祉村は各小学校区に1拠点で、現在15カ所。同地区では2012年4月に地区社会福祉協議会と自治会長らが話し合った結果、「中央に会場がひとつでは遠くの人や足の丈夫でない人は来るのが難しい。一つの福祉村ではなく、半径100m以内に拠点をつくろう」と意見がまとまった。運営は社協や自治会ではなく、地区で選んだ住民ボランティアが行っていくことになった。
開催は月1回2時間から3時間、会場は自治会館。回覧板での周知や開催日に家の塀、ごみ集積所などにお知らせを掲示して参加を促す。活動内容は会場ごとに考案しており、お茶を飲みながらの談話から、介護予防運動指導員を招いた健康体操、唱歌の合唱、認知症や介護保険法についての勉強会、例大祭の山車で使う造花作りなどさまざま。電球の交換や草むしりなど生活支援も請け負う。なお参加者はケガなどに備えて、全員が行事保険に加入している。
「次はこんな行事はどう」「あの人来なかったけどどうしたの」「入院したらしい」……会場では自然とこんな会話が生まれる。サロンの事務局を担う地区社協の今井清久会長は「互いの顔が見える、ようすがわかる、これが一番の成果」と笑顔を見せる。
2011年1月1日現在、市の高齢者人口は5万6711人、高齢化率は21・8%。とりわけ一人暮らしや夫婦のみの高齢者世帯が増加している。このような中、サロンは高齢者の孤立や孤独死を防ぐことを目的に掲げている。
サロンでのおしゃべりを楽しみにシルバーカーを押してくる80代の人たちも多い。今井会長は「小さい規模で実施したからこそ参加者が増えているのでは。将来コミュニティー活動の拠点として大きな存在になってくれるはず」と話している。
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