七夕まつりの商店飾りを制作している 谷地 和夫さん 谷地工務店社長 69歳
七夕の舞台裏で腕振るう
○…湘南ひらつか七夕まつりで、紅谷パールロードの商店が店頭に掲出する飾りの大半を請け負って制作している。依頼主からの要望は毎年、世相反映したものや子どもが喜ぶもの、源氏物語や戦国武将といった時代物など様々に寄せられる。「大きさは決まっているので、モーターで人形を回したり、絵柄を工夫したり。照明の当て方で見え方も違ってくる」と話すなど演出も奥深い。今年も南豊田の本社前に作業場のテントを張って、25個の飾りを制作中。「お客さんに感動を与えたい」と笑顔で語る。
○…駅からほど近い崇善小、江陽中学に通った少年時代から七夕まつりは身近な存在で、第一回目の開催から見つめてきた。「昔は追分から八間通り、明石町と、七夕飾りで埋め尽くされていた。駅前の商店も開催日の5日間で半年分の売り上げがあるなんて話もあった」と往時を懐かしむ。「飾りの細工は凄くなったが、数が少なくなったのも事実。形は変われども、七夕は一つの文化として残さないといけない」と話す。
○…20歳で大工修行を始めて半世紀。父の創業した工務店を経営する。現場監督4人と職人5人を社員に抱えるが、現場はまだまだ離れない。「この前も、我先にとマンションの屋上に上ってアンテナを撤去した。若い者にはまだ負けないよ」とおどけながら胸を張る。「昔は玄翁(げんのう)(槌)の柄を自分で仕立てたり、鋸(のこぎり)の歯の目立てをしたりと、道具を見れば大工の腕は分かったものです。作業の機械化も進み、昔ながらの職人は少なくなった」とも。
○…紅谷パールロード商店街に同級生や取引先の商店主がいた縁で、約40年前から七夕飾りの制作に関わっている。「何でもない飾りだと素通りされてしまうが、いい飾りの前では必ず人は立ち止まって見上げてくれる。飾りの評価はそこで決まる」。今年も目をひく仕掛けを企み、「早く飾って照明を灯したい」と開催を待ちわびている。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>