地元平塚競輪場でFIレースに出場する 金田(かねだ)洋世(ひろよ)さん 市内在住 28歳
砂上の女王 バンクへ
○…「これはもう、競輪をやれと言われていると思った」。全日本優勝の経験もあるビーチバレーからの転向に運命のようなものを感じた。48年ぶりの復活として注目を集めたガールズ競輪の初開催は、偶然にも自身の誕生日と重なった。父親から聞かされたバレーボールから転向した競輪選手の存在、「師匠」と慕う先輩選手との出会い―。背中を押されるように全てがつながり、迷うことなく新しい世界に飛び込んだ。
○…ビーチバレーの大舞台で鍛えられた気持ちの強さは競輪でも健在。5月に地元大阪で行われたデビュー戦は「良い緊張だった」と楽しみながらレースに挑んだ。「やればやるだけ目に見える形で対価を得られる。人生がかかっているから燃える」と鋭いまなざしで前を見据える。
○…自身の競輪スタイルは、最後に捲って他の選手をごぼう抜きにするパワーが売り。大阪でのデビュー後も名古屋、青森と3回レースに出場した。「こんなこと言ってはいけないけど、隠さずに言います。自信がなくて悩むときもある」と、競輪の世界に足を踏み入れた今だからこそ見えてくる不安も。「でも、ここを乗り越えたらもっと強くなれる」とにっこり。感情豊かに自身をさらけ出す。飾ることなく振る舞う姿勢に芯の強さが垣間見える。
○…デビュー戦には競輪に興味のなかった同級生の姿も。「みんな鮮やかなディスク(車輪)をかわいいと言ってくれた。若いお客さんを増やしたい」と、ガールズ競輪の発展を願う。26日に行われるゆかりの地・平塚での初レースにはビーチバレー時代からの友人も応援に来るという。「準備の時点で力が入る。決勝戦に乗ることが目標」とホームレースを前に意気込み十分。勝利へのモチベーションは恩師への感謝の気持ち。「結果を出して、師匠に恩を返していきたい」。巡り合った人々に見守られ、支えられ、愛されながら、力強くペダルを踏む。
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