「地域の伝統行事やイベント、商品PR、家族の思い出をビデオにします」。企業や家庭、団体から依頼を受けて高齢者に仕事を提供する市生きがい事業団の会員が、映像制作に取り組んでいる。昨年7月に発足したビデオ班だ。企画から取材・撮影・ナレーション・編集まで、専門技術を駆使した新しい業務を請け負う。
地域活動など映像に
「じゃんけんをして先攻の選手が1球目を打つところまで撮ります」「ここは1分間あるのでゆっくり大きな動作で」。ストップウオッチを手にディレクターの田中博さんが指示を出す。画像に字幕を入れることを考慮し、カメラマンの深見肇さんが道具のアップから碁盤に見立てたコート全体を映していく。
トッケイセキュリティ平塚総合体育館で二人が撮影していたのは囲碁ボールの試合。ゲートボールと、平塚と関わりの深い囲碁を組み合わせたニュースポーツの普及を目指す市まちづくり財団から、紹介ビデオの制作を依頼された。ルール解説と競技の進め方を約10分間の映像にまとめる。
田中さんはシーンを18に分け、映像の設計図といわれる絵コンテを場面ごとに描き、秒単位で時間とナレーションを割りふった。「囲碁ボールを知らない人にルールを分かりやすく伝えることが今回のビデオのねらい。『楽しそうにプレーしている』『やってみたい』と思ってもらえるよう作ることも重視した」と話す。撮影は絵コンテに基づいて行われ、田中さんと深見さんはモニターで録画に目を通し、撮り直しが必要なシーンを確認。20日の撮影は順調に進んだ。編集作業を経て、ビデオは年内に納品する予定という。
ビデオ班の会員はテレビ番組制作会社に勤務していた人や元アナウンサー、ビデオカメラを趣味にする人など8人。発足後は研修を積み、市民プラザのリニューアルオープンなど市内の催しを取材。これまでに結婚式二次会の記念ビデオや市高齢福祉課の高齢者見守り事業のPRビデオを手がけた。
同事業団ではビデオ班を増員させ企画力や撮影・編集などの腕前をさらに高め、会員が活躍する機会を広げたいとしている。結婚式専門のカメラマン時代は頭の中に台本を作り、撮影に臨んだという深見さんは「経験を生かし、依頼者に喜んでもらえる映像を作りたい」とカメラを構えた。
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