東日本大震災の発生を機に、全国で地域防災における「自助力」の在り方が見直されている。その要として注目されているのが消防団の存在だ。しかし、消防団は全国的に人員減少の課題に直面している。震災発生から間もなく4年。平塚市内で活動する消防団の現状を取材した。
消防団は、消防組織法に基づいて設置されている「特別地方公務員」。本業を持つ一般市民で組織され、災害などの発生時に出動するなど、消防署の支援機関として地域防災の一翼を担っている。
その価値が見直されたのが東日本大震災の発生だ。地域を結ぶ交通ラインが分断された時に、災害後の復旧で中心となって活動を行った消防団へ「地域防災の要」としてスポットが当たった。
市消防本部は「地域防災の自助力は、地域で助け合うという繋がりの力」と説明し、消防団の持つ「情報力」にも期待を寄せる。「空き家か否か、どんな人が住んでいるのかなどを把握している。非常に心強い」と力を込める。
現在市内には19の分団があり、370人が所属している。しかし、団員は年々人数の減少傾向が進み、高齢化にも直面している。
市内消防団を束ねる団長の二宮敏郎さんは「これまで平塚では、退団時に後継者の紹介をすることで団員確保を続けてきた。今、そのバランスが崩れてきている。時間がある程度自由になる自営業・農業従事者から、サラリーマン、市外で働く人も増えた。加えて、市外から転居し、地域との繋がりが少ない世帯が増え、後継者の紹介が難しくなった」と話す。
消防団入団窓口である市消防本部消防救急課は「専門職でないとはいえ、火事や洪水などの災害対策には、やはり命の危険や、責任が伴う。若い人だと、『責任が重い』『危険が伴う』と本人に限らずご家族が懸念され入団を避ける方がいるのも否めない」と話す。
現在同本部では、団員増強のために活動イメージ向上を図っている。ポスター製作のほか、今年度から、消防団活動への理解が高い企業を消防団協力事業所として登録。また、活動の安全強化を兼ね、団に支給する装備の強化を計画しているという。本部は「地域防災の確立に消防団は不可欠。『かっこいい』というイメージからでもいい。まずは活動に関心を持ってもらいたい」と呼びかけている。
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