平塚市民病院が、業績悪化による資金不足で平塚市から総額15億円の融資を要請する異例の事態となっている。同院は、新棟建設にあわせて救急救命センターやがん診療連携拠点病院の指定など医療の高度化を目指し、雇用や設備に積極投資してきたが、今年度の患者数が減少に転じ、高コストが収支を圧迫している形をより鮮明にした。
病院は14年度、運転資金約7億6800万円を内部留保していたが、収支悪化で2月末現在、約2億9千万円まで減少。年度末に約3億5千万円の支払いが必要になる見通しで、資金ショートが確実な状況だ。
市は、14年度一般会計補正予算案に病院への貸付金5億円を計上。15年度の事業収支も資金不足が見込まれるため、新年度当初予算案でも10億円の貸付金を病院へ繰り出す構えだ。
市民病院は、高度医療を目指して320列CT(1億5千万円)など高額医療機器を導入してきたが、減価償却や保守費用がかさむ上、それを扱う医師や技師らの雇用を増やし、12年度57億6千万円だった人件費は、今年度は63億5千万円に膨らむ見通しだ。
一方、今年度12月現在の病床利用率は前年度比7・2ポイント減少、外来患者数も1日平均67・9人減り、当初103億円を見込んでいた今年度の収入は100億円を割る見通しだ。病院は、消費税引き上げによる受診控えや、新棟建設工事の影響などを要因として挙げるが、患者が増える見通しは立たない。高度医療を維持しながら収支改善する具体策は見当たらず、病院の在り方から見直す議論にも発展しかねない。
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