平塚市漁業協同組合が7月1日、授業で水産業学習に取り組んでいる港小学校の5年生約130人を招き、湘南平塚ビーチパーク沖約500mの地点でヒラメの稚魚2000匹の放流を行った。同組合は「放流や魚を食べるなどの経験を通じて、魚や海の環境への関心を高めてもらえれば」と話した。
漁協は同日、加えてヒラメの稚魚約1万5000匹を放流した。6〜7cm程度の稚魚は、1年後には約35cm、2年後には約45cm・1kgまで成長する。漁業従事者らは35cm以下のヒラメは自主的に再放流し、釣り人らにも理解を求めている。ヒラメは、平塚市で盛んな刺し網漁などで捕獲しやすいため漁獲量も多く、また高値で取引されることから、漁業者の期待も高い。
同組合では1992年からヒラメの放流を継続的に行っている。2012年からマダイ、ハマグリの放流も開始。今年度は、6月末にハマグリの稚貝10万個を放流したほか、年度中にマダイ、カサゴの放流も計画している。
漁獲高増加の傾向
こうした栽培漁業を強化する背景には、近年の魚数減少による漁獲高の低迷があるという。「栽培漁業は、簡単に言えば、漁のしやすい環境づくり。畑に肥料や種を蒔くように、海洋資源を循環させ、豊かな海を作ることが目的」と同組合職員は説明する。
平塚市に限らず漁獲量の減少は相模湾全体の問題となっており、県も栽培漁業の強化に乗り出している。2013年から同組合では5年計画で県水産経営改善強化事業の補助を受け、事業を拡大した。
「継続した事業の成果もあり、ヒラメの漁獲高は近年増加傾向にある」と同組合は喜ぶ一方、「海は繋がっており、全て平塚に居ついてくれるわけではない。開始して浅い種類の結果も含め、今後の課題は多い」と説明する。しかし、「今の漁業環境改善はもちろんですが、なにより次世代に残していける豊かな海を作るという目的も大切」と笑顔で話した。
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