1945年(昭和20年)7月16日の午後11時32分、B29爆撃機132機が平塚市上空に姿を現し、翌17日午前1時12分までにかけて、約44万7千本の焼夷弾を投下。当時人口5万人の平塚市は焦土と化し、死者237人、罹災戸数7678戸の被害を受けた。空襲から70年。市は戦争の記憶を振り返り、平和の尊さを訴える事業を市内各所で開く。
博物館「被災地図」を公開
市博物館は今日から9月3日まで、企画展「平塚空襲70周年」を開催する。
「平塚の空襲と戦災を記録する会」(江藤巖(いわお)会長=中面「人物風土記」で紹介)が郷土資料や聞き取り調査をもとにまとめた、被災地図が公開される。地図は8月刊行予定の『市民が探る平塚空襲 通史編I』に掲載するもので、空襲の及んだ茅ヶ崎〜二宮を広域調査、焼失家屋の分布を落とし込み、空襲の全容に迫る資料となる。
企画展は例年より規模拡大し、1階寄贈品コーナーと2階情報コーナーで開催。米軍が空襲直後の市内の様子を撮影した写真をはじめ、空襲体験者が当時の記憶を描いた絵画、空襲の標的となった背景を解説する資料、実物の焼夷弾などが展示される。
体験者が証言
同館講堂では7月18日、空襲体験者が当時の様子を証言する「市民が語る平塚空襲」が開かれる。
平塚の空襲と戦災を記録する会が、空襲体験の語り部6人を招き、戦争の悲惨さや戦時下の生活苦などについて生の声で語ってもらう。午後1時30分〜3時30分。当日受付先着80人。
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また、同館プラネタリウムは、原爆をテーマにした作品『夕凪の街 桜の国』を投影する。作品は、広島市出身の漫画家、こうの史代さんの原作を広島市こども文化科学館がプラネタリウム番組化したもの。3世代の家族が原爆の影響に苦しめられながらも、たくましく生きる姿を描いた。
投影は、7月18日〜8月30日の毎週土・日曜、8月6日(木)、8月11日(火)〜14日(金)で午後3時30分〜。
プラネタリウムは8月15日、平塚空襲の体験証言や戦争と平和についての絵本を映像とともに朗読する会も開く。午後5時30分から開演、当日受付先着60人。
市役所で展示
市役所本館(1階多目的スペース)では7月24日まで、空襲や被災の状況を記録したパネル30枚をはじめ、焼夷弾や千人針、B29爆撃機の模型を展示。市内図書館は8月30日まで、戦争と平和、核に関する資料を展示し、蔵書目録の配布などを行っている。
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博物館学芸員は「戦後70年で空襲体験者も少なくなってきています。戦争の記憶を継承するきっかけにしたい」と話している。
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