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平塚版 公開:2016年2月11日 エリアトップへ

ローカル2紙合同対談取材 河野大臣×落合市長 防災施策で対談 津波避難タワーなど具体案も

公開:2016年2月11日

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大臣室で対談する河野大臣㊧と落合市長㊨
大臣室で対談する河野大臣㊧と落合市長㊨

 昨年初入閣した河野太郎大臣と落合克宏市長が平塚市の防災施策について対談しました。落合市長は防災を最重視した市政運営に取り組んでおり、河野大臣は防災担当の内閣府特命担当という立場から、津波避難タワー整備などについて意見を交わしました。国務大臣室で、市内ローカルメディアのタウンニュース社と湘南ジャーナル社が共同取材しました。

落合「大臣就任おめでとうございます。今後は国家事業を担う政府の一員となるわけですが、地元である平塚の課題も共有して、一緒に歩んでいただければありがたいと思います」

河野「ありがとうございます。防災では、国にとって南海トラフと首都直下型の2つの大規模地震への対応が大きな課題です。平塚市は南海トラフの対策強化地区で、首都直下型の影響も受ける所です。高知県では、南海トラフ地震による津波最大高を34mと想定していますが、県知事が地元自治体の負担をゼロにするから津波避難タワーを建てようと呼びかけたところ、視察した南国市では数百mおきにタワーを建て、大体必要な所はカバーできました」

津波避難タワー 海岸に整備検討

落合「神奈川県は昨年、東日本大震災を受けた地震津波浸水予測について、平塚海岸の最大津波高を6・9mから9・6mに引き上げました。高さ8mの国道134号を越える想定になるため、何とかせねばなりません。さがみ縦貫道路開通などにあわせ、平塚の魅力を発信する拠点づくりに龍城ヶ丘プール跡地も活用しようと考えていますが、津波避難タワーの機能を持った建物として整備しようと検討しています。跡地は風致地区ですが、8mまでの建造物が建てられます」

河野「国道134号が8mですから、16mの高さのタワーになるわけですね」

落合「ビーチパークは年間33万人の利用がありますが、ビーチパークと湘南海岸公園の間の上空に、幅の広い歩道橋を架けて津波避難タワーを兼ねる案も考えています。利用客の避難場所が確保でき、ビーチパークと湘南海岸公園の一体化も計れます。静岡県吉田町で整備事例があったのですが、費用は約10億円くらいかかります。国の交付金を活用できないか、検討していきたいと思います」

河野「社会資本整備総合交付金というのがあって、事業費の2分の1を補助するのですが、平塚は南海トラフ特措法の強化地域になっています。ここで何らかの対応ができるかもしれません。また、南国市では津波避難タワーを普段の散歩のコースの中に組み入れ、タワーの上で景色を見てもらっています。だから、どこにいても、どのタワーに、どれ位の時間で辿り着くというのを散歩しながら分かるようになるんです」

落合「国道134号の上も、富士山も見えるし眺望はいいですからね。本市では、JR東海道線以南にある3階建て以上のビルや公共施設について、所有者と自治会、市が3者協定を結んで津波避難ビルに指定しています。東海道線以南には約4万人が住んでいますが、現在まで約6万人を超える市民が避難できるスペースを確保しています。津波避難タワーとあわせ、避難ビルの協定も引き続き取り組んでまいります」

鬼怒川豪雨災害教訓に護岸整備

河野「津波は川を遡上するので、海だけではなく河川の護岸整備も必要だと思います。昔は津波が相模川を遡り、四之宮あたりまで到達したという話もあります。花水川も恐らく遡ってくることになるでしょう」

落合「平塚市は相模川と金目川に挟まれています。地震津波の遡上はもちろんですが、豪雨災害という面からも常総市鬼怒川の災害を教訓とし、しっかりとした備えが必要です。相模川について国は、150年に1回程度起こりうる2日間で460㎜の雨量に対応できる整備を進めようとしています。右岸(平塚側)は今年の夏に完了する予定と聞いていますが、飛び地である須賀新田のある左岸(茅ケ崎側)は今年度末で35%の整備進捗で、完成時期が明確になっていません」

河野「茅ヶ崎市からも左岸の下流の堤防を何とか早く整備して欲しいという要望があるので、用地買収をはじめ色んな手当をしていかなければいけません」

「近助」の仕組み 白馬村を参考に

落合「災害対応は自助・共助・公助がそれぞれ必要と言われていますが、平塚市では自治会・町内会単位の自主防災組織は100%あります。防災訓練も盛んに開いていただいていまして、例えば平塚工科高校では、地域の幼稚園児やお年寄りが逃げる時、学生が屋上に上がるのを手伝う訓練をしてくれています。こうした全国的にも進んだ土壌を活かし、近くの人たちが近くを助ける『近助』の仕組みというのをより強化していきたいと考えています」

河野「『近助』で有名なのが白馬村で、あの家のおばあさんは誰が面倒をみるという所まで決めています。夜中に地震があった時、相当暗い中でもほぼ全員無事に避難をすることができました。個人情報などの問題もあるようですが、地域の力でどこまでできるのか期待したいです」

落合「民生委員児童委員の方から、近所の高齢者や障がい者の住所などの情報を求められています。要支援者登録制度を設けていますが、災害時には臨機応変な対応ができるよう取り組みを進めています」

河野「自助の部分では常総市豪雨災害で再建資金の問題がありました。被災者生活再建支援金という見舞金のようなものがあるのですが、上限は300万円。それでは家の再建はできないので、担当大臣として地震や水害の保険に加入してくださいと一生懸命お願いしています。税における側面支援として、保険料の所得税控除もできないかと、来年度から議論のテーブルに乗せようと思っています」

落合「私も市長として、津波避難タワーといったハード面、近助の仕組みづくりなどソフト面と、多面的に安心安全対策をしっかりと進めていきます。今日はありがとうございました」

河野「こちらこそ、ありがとうございました」

※2月12日号の湘南ジャーナルでも対談の模様を掲載。防災ラジオ導入などについて語っています
 

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