真土駐在所で35年間にわたり地域を見守り続けてきた佐山義則警部補(60)が3月、定年退職を迎える。佐山さんの人柄を慕う地元住民約50人が6日、感謝の集いを真土自治会館で開き、別れを惜しんだ。
北海道出身の佐山さんは1976年、平塚警察署に配属され、四之宮や代官町の交番などで勤務。真土駐在所の新設にあわせ、当時の上司から入所を勧められたという。「私がいるから大丈夫」と妻の静江さん(61)を説得。夫婦二人三脚の駐在生活が始まった。
佐山さんは朝3時に起床し、夜明け前に地域をパトロールするのが日課。「少しでも犯罪を防ぎたいという思いからでした。毎日見回っていると、遺失物もよく見つかる。少しでも早く持ち主に返して、喜んでもらいたかった」と話す。
昼夜問わず働く姿は多くの住民が目にしている。
感謝の集いの発起人となった伊藤栄雄さんは「公務時間外だからと、私服で見回る姿を何度も見た。地域の会合にも顔を出し、地元を知り尽くした方。佐山さんが言うから協力しようというような信頼の厚い人だった」と語る。出席した斉藤美代子さんも「寝ている時間も見守ってくれているんだと、とても心強かった。まちを掃除している姿もよく見かけた」と感謝する。
駐在所は内助の功なくしては成り立たない。佐山さんが不在の際は、静江さんが門前で対応した。不審者を外で見かけたことを夫に知らせ、犯人逮捕につなげたこともあった。
「駐在は勤務時間も関係ないので大変な仕事。夫婦二人三脚の毎日でした」と話す静江さん。横にいる夫と目を合わせながら、「お互いお疲れさまでした」と笑顔で労った。
佐山さんは「あっという間の35年間でした。安心して暮らしてもらおうと、私は当たり前のことをしてきただけ。このような集いを開いてくれて、本当に感謝しかない」と話していた。
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