琴奨菊関らのメンタルトレーニングコーチとして知られる高妻容一教授が、東海大公認サークル「スポーツサポート研究会メンタルトレーニング部門」で約50人の学生を指導している。同サークルは学内運動部の競技力向上のため設立したが、今ではコーチの卵たちが他大学や県内の中高生の指導に飛び回っている。
学生が地域で出張指導競技力の底上げを図る
精神面を鍛え、実力を100%発揮するためにラグビー日本代表などトップアスリートも取り入れているメンタルトレーニング。同部門は学生たちの実戦練習の場を確保するため、指導料はとらずに外部へも学生を派遣している。毎週月曜に開催する無料講習会などで、メンタルトレーニングを知ったチームからの依頼は後を絶たない。同部門で活動する鮫嶋優樹さん(同大学院体育学研究科2年)は「専門知識を勉強する学生が近隣のチームに派遣されることでトレーニングの認知度を高め、地域で活動する各競技レベルの底上げに貢献したい」と意気込む。
ゆったりとした音楽に合わせて呼吸を整え体の力を抜くリラクセーションや、アップテンポの音楽に合わせて動き回るサイキングアップなどのトレーニングを繰り返すことで、リラックスした状態と興奮した状態を作り、どちらの状態がより自分の力を発揮できるかを見極めていく。力を出せる状況がわかれば、あとはどんな場面でもその状態を作り出せるようにするのが、メンタルトレーニングの目指すところだ。
現在鮫嶋さんが担当しているチームは10チームほど。昨年度、全日本大学女子サッカー選手権大会(インカレ)で準優勝した神奈川大学女子サッカー部もその一つだ。2011年度に優勝して以来、リーグ8位など成績が振るわなかったチームを立て直す一助となった。
「最初にチームを見たときは、自分に甘い子が多く、覇気がなかった」と鮫嶋さん。部員の多さから、レギュラーと控えの埋まらない温度差を感じた。「サッカーはチームプレーが重要。ベンチワークも含め、試合に出ていなくても『自分のおかげでチームが勝った』と思えるよう目標や役割を明確にした」と部員の視点を変えていった。
インカレ2回戦で前年準優勝校の大阪体育大学に1対0で勝利したときを「アップの段階でみんなニコニコと楽しそうで、雰囲気がすごくよかった。選手の、このチームで勝ちたいという気持ちが強くなったのでは」と分析する。「チームの変化を感じられるのは嬉しい。依頼があったら駆けつけて、多くの選手と関わっていきたいです」と目を輝かせていた。
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