夏の風物詩「湘南ひらつか七夕まつり」(7月8日〜10日)の主役である七夕飾りの制作が、今年も市内各地で本格化している。
企業や店舗などによる豪華絢爛な商店飾りが減少するなか、市民の手によって作製される「市民飾り」の存在感は増している。
市民飾りの様相はデザイン性に富むものも多い。世相や地域性を反映したものなど、趣向を凝らした飾りで見物客を魅了している。
湘南平塚青森県人会では、切り絵を用いた飾り作りに取り組む。青森県の代表的な祭事のひとつ「ねぷたまつり」で使われるねぷた(扇形の行燈)に、戦国時代の武将・武田信玄と上杉謙信の「川中島合戦」などの歴史上の出来事を切り絵で表現する。同会会長の吉村克芳さん(67)は「今年も順調な出来栄え。掲出されるのが楽しみ」と言葉に力がこもる。
独自性光る飾りも続々
四之宮の下郷自治会は、地域性を出した個性的な飾り制作に取り掛かる。テーマは「没後400年四之宮の家康」。地区の歴史を研究する「四之宮郷土史同好会」と協力し、同会が作製した歴史かるたの家康に関連する2句を選定。折り紙を用いたちぎり絵などでかるたの挿し絵を装飾する。
「飾り制作は世代を超えた交流も生み出している」と同自治会の小磯利雄さん(72)は話す。12日には、同地区の子供会「下郷D子どもクラブ」の児童、小規模多機能型居宅介護施設「あかね」の利用者らが飾り制作を行った。ちぎり絵を張る作業に取り組む利用者の女性(88)は「孫と一緒に作っているような感覚で楽しい」とにっこりする。
4月の熊本地方で発生した地震を受け、飾りを通じた復興のエールを送る団体の姿も。今年で7回目の飾り作りを迎えた「趣充会(しゅみかい)」は、熊本県のマスコットキャラクター「くまモン」や熊本城を模した絵のついた行燈を作製。同会代表の鈴木久恵さん(62)は「熊本に向けて、平塚から愛を送れたら」と思いを語る。
市民飾りの制作を指導する団体「湘南七夕の会」の渡辺豪さん(72)は、「ここ2、3年で飾りの形に変化が現れている。各団体の思いが詰まった個性的な飾りに注目してみては」と話している。
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