小中学生にとって、夏休みの宿題で頭を悩ませるのが夏の自由研究のテーマ設定だろう。本紙では市内で気軽に取り組めるテーマの探し方を、平塚市博物館の澤村泰彦館長(57)に聞いた。
身近な歴史から
澤村館長は「まずは身近な歴史を研究してみては」と提案する。
市博物館では現在、夏期特別展「レンズが見たひらつか2 1976-2016」(9月11日まで、入館無料)が実施されている。1976年から2016年までの40年間に起きた市内の街並みや文化の変遷を、航空写真などで当時といまを比較して振り返る内容だ。「展示会などからヒントを得て、研究することも一つの手」と館長は説明する。
「まず自宅に眠る昔の写真を探してみて、写真がいつ、どこで撮影したものなのかを家族や親族に聞いて調べてみる。当時と比較して、その写真の周囲にはどのような変化が起きているのか調べてみましょう。例えば『更地が多かった場所が現在では住宅地に変わっていて、経済成長が変化に影響している』といった具合に背景を考察する。当時の人々の暮らしぶりはどうだったのかまで考えて、レポートにまとめるのも面白いでしょう」
星空を見上げて
季節感をもって取り組める星を研究するのもおすすめだ。今年は夏の風物詩とも言われるペルセウス座流星群が8月12日〜13日にかけて観測できるほか、約15年ぶりにさそり座の近辺で土星と火星が輝くという。「流星群を観察する場合は、肉眼で星の数を数えて、変化が分かりやすい1時間置きに観察したほうが良い。次の1時間で星の数が増加し、減少したのかなど、どう変化したのかを記録します」。
実際に星を観察する場合、重要なのは天気と観察場所の選定だという。「天気が良く、真っ暗な場所であれば基本的に観測は可能でしょう」。また、14年に「ひらつか星空調査隊」(【URL】http://www.hirahaku.jp/kyoushitsu_circle/hoshizora/)が調査した市内の観測スポットによると、岡崎小学校付近や駅南口周辺、馬入ふれあい公園などが観察しやすい環境だ。
自然はテーマの宝庫
より身近で、気軽に取り組むことができるのが自然の観察。館長は「公園に植栽されている樹木に注目してみてほしい」とアドバイスする。
「木の種類を調べてみて、その木の特徴を図鑑やインターネットなどで探す。観察時に見つけた生き物や花も一緒に調べてみましょう。また、公園でその木はどのような役割をしているのか、例えば『待ち合わせするときのランドマークの役割を果たしていたり、背丈が大きいので、公園に日陰を作っている』など、あれこれ考えてみましょう。最終的には『なぜその木が、その公園には植えられているのか』を多角的に考えてみてください」
普段、何気なく見過ごしている樹木からも、たくさんの研究テーマが見つけられそうだ。
澤村館長は自由研究に取り組むにあたり、「最初から答えを探すのではなく、実際に現場を歩いて、見て、気づきを探してほしい」と話している。
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