平塚市の指定重要文化財である「田村ばやし」が、今年11月に指定から40年を迎える。10月30日には八坂神社(沖津善弘宮司/田村)で記念式典が開かれ、地元住民らが節目を祝う。
田村ばやし保存会(四宮義一会長)によると、田村ばやしは、鎌倉時代に京都の楽人から伝えられ、800年近くにわたり伝承されてきた。
八坂神社の祭囃子として、例大祭では子供や大人が太鼓や笛を威勢良く奏でる。曲目は「屋台」「宮昇殿」など7曲で、いずれも笛のリードで曲が変化していく点に特徴がある。1991年に楽譜化されたものの、その独特なリズムや音色は口伝で今日に受け継がれてきた。
保存会は、重文指定の前年にあたる75年11月に発足。以降、市立博物館の開館行事や成人式への出演にくわえ、後継者の育成にも取り組んできた。重文指定と同時に笛を始めた保存会の青木文司さん(67)は田村ばやしを「地域一体の象徴」と考え、今も子供たちの指導を続けている。
「後継者不足などの課題もあるが、郷土の誇りを次世代に残す努力を続けていきたい」と四宮会長(65)。今後もおよそ250人の保存会メンバーを中心に田村ばやしの伝統を守っていく。
田村ばやしのほかには、「前鳥囃子」が86年1月に市の重要無形文化財に指定されている。
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