師走も後半に入り、市内各地ではしめ縄作りがピークを迎えている。時代の変化にともない既製品を飾る神社も増えているなか、本紙では昔ながらの方法で手作りを続けている八坂神社(田村)と平塚八幡宮の関係者に思いを聞いた。
八坂神社の社務所では15日、宮総代や大世話人10人が集まって、わらの香りが立ち込める一室で両素手をこするように編んでいった。青々としたわらは、神社の結界をつくるしめ縄に最適とされる。そこで八坂神社では春に田植えをしたもち米を8月に青田刈りしてこの日に備えた。
「昔、父からコツを教わってね。編み方は身体で覚えていますよ」と話すのは神社総代の福島昌保さん(75)=写真右=。福島さんは、まだ不慣れな参加者に手本を示しながら細かい指示を出していた。
神田公民館の館長も務める福島さんは、23日に同館で「しめ縄飾り教室」を開く。「手作りの伝統を受け継いでもらいたい」からと、教室には子供を積極的に招いている。「しめ縄の伝統は地域をつなぐものだから、なくならないでほしいです」と願ってやまない。
平塚八幡宮のしめ縄作りは10日に境内で行われた。八幡・馬入・新宿の各地区から総代や世話人が参加したほか、江戸期に分祀されたとされる八幡宮(茅ヶ崎市平太夫新田)、平塚八幡宮の神輿会が親交のある諏訪神社(南原)の関係者など、各地からおよそ30人が集まった。
「しめ縄を取り巻く環境も変わりました」と総代の曽根田昇一郎さん(75)。数年前まで古いしめ縄は年明けのどんど焼きに使ってきたが「火を使うと苦情もあり、境内のイチョウの木に巻くようになった」と経緯を説明する。わらを巻くと防虫の効果があるという。
「毎年たくさんの人が集まって、手で思いを込めるしめ縄は良いものですね」と語った曽根田さん。「なくならないでほしいです」と思いを語っている。
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