昨季の降格で3季ぶりにJ2リーグに挑む湘南ベルマーレ。1年での返り咲きを目指して、引き続き指揮官を務める曺(チョウ)貴裁(キジェ)監督に、今シーズンの意気込みを聞いた。
――2017シーズンの意気込みを聞かせてください。
「育成時代を含めて、ベルマーレに携わって12年目になりますが、見ている人が『勇気をもらえた』と感じるようなチームづくりや指導に取り組んでまいりました。トップチームの監督として昇格と降格を繰り返し、今年はカテゴリーがJ2になりますが、『ベルマーレがあってよかった。また明日から頑張れる』と、一層思ってもらえるようなチームを目指していきたいと思います」
――監督から見る「ベルマーレ」の特長を教えてください。
「ベルマーレは『常に一生懸命』が特長のチームです。90%の力でなく常に100%、一人じゃなくて互いに助け合い、全員で勝利を目指す姿勢を意識しています。『勝利』という分かりやすい一つの目標に対して最後まで諦めない、頑張る姿に共感してもらえるような試合をしたいと思います」
――チームづくりにあたり、今シーズンはどのように考えていますか。
「チームづくりをする上で、新しい要素を取り入れることはとても大事です。しかし変えてはいけない、継続しなくてはならない部分というものがチームには必ずあります。そのバランスを考えながら、強く、逞しいチームにしたい。ベルマーレには、完成した選手はほとんどいません。個々の可能性を引き出しながら、シーズンが終わった後に選手自身が『このチームでよかった』と振り返り、サポーターの皆さんは『このチームはまだまだ伸びしろがある』と感じてくれることがクラブの成長につながると思っています」
――監督は「成長」という言葉を度々使いますが、どのような部分を指しているのでしょうか。
「それは、それぞれですね。ピッチの中で、できる、できないといった技術的なことはもちろんですが、気持ちの部分も重視しています。精神的な強さや周囲への思いやり、一喜一憂しないとか一言では表せません」
――3季ぶりのJ2リーグをどのように見ていますか。
「昨シーズンだけを見れば、上から下まで目に見える実力差はありません。我々はJ1からの降格なので、当然、各チームは警戒してくるでしょう。J1で『通用しなかった』や『できなかった』といったプレーに関する感覚や経験が薄れる前に復帰しないといけないと思っています。簡単なリーグではありませんが、J1のレベルを意識したチームの基礎づくりに取り組んでいきたいと思います」
――具体的には。
「いまのサッカーは『走る』ことがベースになっています。それは私が走らないで勝っても意味はないと思っているからです。走っても勝てる保証はありませんが、しっかり走った上で『あんなことができた』『こんなことができた』というプレーの引き出しを増やしてあげること。そのための努力は惜しまないでやっていくつもりです」
――昨季終了時点で監督の去就が注目されていましたね。
「結果が出ないシーズンは『監督がダメだ』、『選手を交代させろ』といった批判が周囲から出るのは当たり前です。監督という職業は『勝ったからやります』、『負けたから辞めます』という部分もありますが、私はそれだけにこだわってやる職業ではないと思っています。私はこのベルマーレから必要とされて続投の打診をもらい、その思いにどれだけ応えられるかを基準に考えた結果、監督を引き受けました」
――続投表明でファンも喜んでいます。
「私が監督を引き受けたことで喜んでくれるのであれば、それは嬉しいですね。逆に『曺でどうなの?』と思われる方々には結果や内容で『やっぱり良かったね』と思ってもらえるようにしないといけない。それが俺の仕事ですから」
――サポーターへ一言。
「今年も厳しいシーズンが始まります。ホームゲームは、昨季より試合数が増えますが全力で戦います。良いときも、悪いときも変わらない声援を頂ければ選手も頑張れますので、応援よろしくお願いします」
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