平塚市防災講演会が4日、市中央公民館で開催され、2011年の東日本大震災で被災し、仙台市内の避難所で運営委員などを経験した震災の語り部、片桐勝二さんらが講演した。
同市蒲生町で町内会の副会長だった片桐さんは3月11日午後、突き上げられるような強い揺れを自宅で感じた。高齢者や障害者の住む家に立ち寄りながら避難を呼びかけた。到着した避難先の小学校は、パニック状態になっていたという。
その1時間後、「津波が押し寄せてくる」との叫び声で屋上に避難、周囲は水没して孤立状態に陥った。水位が下がるのを待って泥をかきだした教室で、度重なる余震や近くの工場火災の爆発音に怯えながら、寒い夜を過ごしたという。
自衛隊の救助で避難所のあった八軒中学校に移動して1カ月間を過ごし、別の避難所での生活も経験。避難所の運営委員を務めた。避難所は仕切りのない雑魚寝の状態だったが、女性が食事の支度、男性は清掃をするなど役割を分担。お互いに譲り合い、助け合う中で生活できたという。また、保険証の代わりにネームプレートを作成することで、病院で受診ができるようにするなど、様々な生活上の困難を解消したという。
片桐さんは講演会で「家族で避難先と連絡方法を話し合い、地域では土地ならではの災害発生要因を確認して欲しい。避難訓練は積極的に参加すべき。生きるための危機管理をしておいてください」と日頃からの備えを会場に呼びかけた。
また「隣にどのような人がどのような状態で住んでいるのかを把握しておくことが、震災時の死者を少なくする」と、地域のつながりの大切さも訴えていた。
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