海外で元子ども兵の支援にあたっている 原 貫太さん 出縄在住 22歳
世界の不条理に挑戦
○…内戦時代に反政府組織に誘拐され「子ども兵」にされた人が推定3〜4万人いるといわれる東アフリカのウガンダで約2か月間、京都に本部を置く認定NPO法人「テラ・ルネッサンス」の一員として人道支援に携わった。戦闘の最前線に立たされ、反政府軍の兵士と強制結婚させられた元子ども兵たちの社会復帰に尽力。自身の信念でもある「世界の不条理に挑戦」が原動力となっている。
○…きっかけは大学1年で参加したフィリピンでのスタディツアー。帰国の途、マニラ空港に向かうバスの車内からボロボロのワンピースを着て物乞いをする少女を見かけた。車が行き交う公道の脇、幼い赤ちゃんを抱いた姿に「涙をこらえ切れませんでした」。数か月後、高校時代の仲間とストリートチルドレンの問題を調査しようと一念発起。アルバイトで費用を捻出し、アジアの最貧国とされるバングラデシュへ渡った。
○…現地では、パブリックスペースに暮らす子供たちと対立する警官の間に入り、両者の相互理解を目指したワークショップなどを開いた。「苦しみはそれを見た者に義務を負わせる」。いつか聞いたこの言葉に背中を押されるようにして無心で駆け回った日々。こうした経験が契機となり「将来は世界が抱える問題の改善に関わろう」と身の振り方を展望。海外で特に必要となる英語を身に付けるために米国留学もした。テラ・ルネッサンスとの出会いは昨年1月。インターンとして学んだのち、今年1月にウガンダ入りした。
○…4月から早稲田大学に復学する。卒業後は就職せず、引き続き元子ども兵や難民を支援するため新たなNPO法人を立ち上げるつもりだ。「ジャーナリストやルポライターとしてではなく、世界が抱える諸問題を研究し改善のための実務に尽くし、各地の窮状をSNSで発信していきたいと思います」。正義に裏付けされた不条理への挑戦をこれからも続けていく。
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