大野地区に伝わる昔話「三谷(さんや)のいたずらきつね」を子供たちに親しまれる作品にしようと、中原在住の高村忠夫さん(75)が今年2月、絵本を完成させた。5月18日に市役所を訪れ、落合克宏市長に報告した。
この昔話は、旧大野村にあった兵衛(ひょうえ)山、三谷山、伊勢山に住む兵衛狐、三谷狐、伊勢狐の話。イタズラ好きの三谷狐が引き起こした騒動を描いている。
きっかけは、松が丘地区郷土誌の巻末に同作が掲載された際に「子供たちにも親しみをもってほしい」との意見が編集員から挙がったこと。松が丘公民館の小島成正(しげまさ)館長(77)が昨年8月、絵心がある高村さんに制作を依頼、今年2月に完成した。同月に開かれた松が丘公民館まつりでは、パワーポイントでイラストを紹介しながらの読み聞かせで子供たちに披露された。
高村さんは、都内の印刷会社に約40年勤続した経験と、古絵本を分解して構造を学ぶといった研究を基に制作した。「人に見せるような絵は描いたことがない」とはにかむも、初挑戦ながらの労作に、「この物語があるということを多くの世代に知ってもらえれば、物語自体も喜ぶのでは」とほほえむ。
落合市長は、「昔話を形にするのは、地元への愛着を育む。子供たちにも広まるようこれからも頑張ってほしい」と激励した。
絵本はA4サイズのカラー刷りで15ページ。平塚市中央図書館と松が丘公民館で閲覧できる。
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