10月3日〜8日、市美術館で写真展を開催するJRP湘南支部の支部長 里見 邦博さん 松風町在住 68歳
妻とカメラと三人四脚
○…平塚市内の工場をダイナミックに捉えたドキュメント写真、湘南の海岸を収めた風景写真、原発事故で居住できなくなった地域の現状を伝える一枚。美術館に並ぶおよそ130点は会員17人の個性が凝縮された力作ばかり。52回を数える年一度の晴れ舞台を主催する全国規模の有志団体「日本リアリズム写真集団」(JRP)湘南支部の舵取り役として写真展にかける思いは人一倍だ。
○…群馬県太田市生まれ。好奇心旺盛な幼少期は父のカメラが格好の遊び道具だった。中学では迷わず写真部へ。学校の暗室で目にした「被写体が浮かび上がっていく不思議」に魅せられ、写真の虜になった。高校卒業後、写真用薬品を製造する企業に勤めるため平塚に移り住んだ。カメラ好きが高じてJRPに入会したのは19歳。同会はプロ・アマの区別なく写真を学び、撮り、発表する活動を展開する全国組織で、各地に支部を持つ。湘南支部長に就いたのは2014年で、活動は50年目を迎えた。
○…30歳で紅谷町の写真店「里見写真場」に養子として入り、長らく代表取締役として店を切り盛り。写真に疎かった伴侶と助け合いながら創業80周年を迎えるも一昨年、不意に体調を崩して生死をさまよった。その後、入院生活が長引き店をたたむことに。断腸の思いだった当時を振り返り「長く続けてこられたのも、こうして今元気でいられるのもすべては妻の支えあってこそです」と感謝の思いをにじませる。
○…娘が小学生のころ、一家で宮古島を旅行した。「私たちを残してあちこち撮影に行っちゃって。今も昔もカメラ小僧なんだから」とあきれ顔の妻に「ほんとあの時はごめんね」と頭を下げる。思い出話を笑い合うそんな時間がなによりの喜びだ。「穏やかに暮らし、いつまでもカメラを楽しめるよう健康に生きる。それが私の仕事だと思います」。妻と二人で幸せな未来にピントを合わせていく。
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