江戸時代以降に村々が作成した村絵図を展示、地域の成り立ちを紹介する特別展「ひらつかの村絵図を読む」が10月21日(土)〜12月17日(日)、平塚市博物館(浅間町)で催される。
同館の早田旅人学芸員によると、村絵図は村境や集落、寺社、田畑などを色分けして描いたもの。領主や代官らに村の様子を伝えたり、防災に役立てられたりした。村人が抱いていた村への意識や地域観を色濃く反映しているという。例えば北金目の村絵図では、本来ならば南金目にあるはずの金目川の堤防「大堤(おおづつみ)」が描かれており、洪水など自然災害への危機感が見て取れる。
同展は3章構成で、村絵図約50点を展示する。第1章では南原や寺田縄、大神、広川といった村ごとの特色を現在の地図と見比べる。第2章では村人の生活と密接な関係があった川に焦点をあてる。第3章では村境を裁判で争った結果を判決文と共に記した裁許(さいきょ)絵図を展示、現在の市境や町境が決定した背景を知る。
目玉展示物のひとつは1692年に作られた「平塚村大磯村浦境争論裁許絵図」。平塚沖で漁業を行った大磯村を、平塚村が訴えた裁判の結果を記す。この判決が基となり、現在の唐ケ原が平塚市から飛び地のように花水川西岸に位置するようになった根拠となっている。
早田学芸員は、「自分の住む地域を村絵図と見比べて、地域の未来を考えるきっかけにしてほしい」と話している。
村絵図頼りにブラリ平塚特別展に合わせイベント
平塚市博物館の特別展「ひらつかの村絵図を読む」に関連して、同館は様々な行事を企画している。
「ひらつかの村絵図を歩く」(11月12日(日)、定員20人)では村絵図を頼りに南原周辺を実際に歩く。講演会「絵図からみる景観」(11月19日(日)、定員70人)は、葛飾区郷土と天文の博物館学芸員の橋本直子氏が村絵図の概要を解説する。
申込み・問い合わせは、平塚市博物館【電話】0463・33・5111へ。
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