絵画や彫刻など個性豊かな作品を紹介する特集展「なんだろう展+新収蔵品展」が12月9日(土)から平塚市美術館で開催される。発表した作品名や作者名、解説文はなく、担当者は「先入観を一切捨てて、思いおもいに楽しんでください」と呼びかけている。
「私語を慎んで鑑賞を、といった常識にとらわれず、ある程度おしゃべりしながらでも、自由な意思と感性で作品を味わってほしい」。そんな発想から初めて企画された意欲的な作品展だ。
同館が所蔵する1万点以上の中から「幻想的だったり、どこか思わせぶりだったり、色々な解釈ができそう」といった観点から厳選した20人のアーティストによる28点が並ぶ。油絵や彫刻、屏風絵などさまざまで、チェコのプラハから取り寄せたドアを画材にしたユニーク作も含まれている。
普段は添えられる作品名や作者名、解説文がない代わりに、作品ごとに感想や質問を投稿するブースが設けられる。出展が予定されている加藤芳信氏、山本直彰氏、岡村桂三郎氏、中ザワヒデキ氏への質問は作者本人に届けられ、会期後半に回答を掲出する予定だ。
市美術館によると、注目作品の一つが石田徹也氏(享年31)の「コンビニエンスストアの母子像」=写真。かごに入れられた子供が商品とともにレジでスキャンされる様子が描かれており、人間も社会のなかで消費される存在であるという皮肉が読み取れる。
さらに、学芸担当の勝山滋さん(45)は同作について「ミケランジェロ『ピエタ』の聖母マリアとキリストの構図が見て取れる点も面白いのでは」と分析し、「自由な解釈を楽しんでもらえたら」と期待する。
会期中は、福田美蘭氏「見返り美人鏡面群像図」、高村光太郎作「静物一瓶とコップ」など昨年度収蔵されたおよそ40点も展示される。
会期は2018年2月25日(日)まで。午前9時30分〜午後5時。
問い合わせは市美術館【電話】0463・35・2111。
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