平塚版 掲載号:2019年2月7日号
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市博物館で企画展を開催している日本野鳥の会会員 岡根 武彦さん 平塚市在住 76歳

こころ優しき鳥撮り

 ○…少年時代から愛でてきた野鳥は「良きパートナー」。観察するなかで「考え方や生き方も教わる。私だけじゃない。野鳥は人間にとって大切な友達」と穏やかな表情を見せる。単に撮るのではなく「撮らせてもらう」。それゆえ、被写体に優しく話しかけながらニコンD750のシャッターを切る。「人も鳥も同じ。安心感を与えることで自然の姿を見せてくれる」

 ○…生まれは三重県松阪市。気候がよく野鳥がたくさんいる平塚へ18歳でやってきた。会社勤めをしていたが、パンとコーヒー好きが高じて四十路を迎えて喫茶店「ノーサイド」を根坂間に開店。自家製パンにフランクフルト、サラダに得意のコーヒーが付いたブレッチェンセットが人気メニューで、博物館の前館長の故・浜口哲一さんをはじめ作家などの文化人が愛した味だ。60歳で惜しまれながら閉店してからは、残りの人生を大好きな野鳥に捧げている。

 ○…フィルムの味を懐かしみながらも、今はデジタル一眼レフと300mmのレンズを自転車に乗せ、平塚のあちらこちらへ。妻とも連れ立って、北海道、沖縄、長野、新潟と全国にも赴く。目と耳だけじゃない。五感を研ぎ澄まし、第六感も働かせ空飛ぶ友達に没頭。でも、焼き鳥も好き。塩皮串に赤ワインを合わせるのが岡根流だ。

 ○…野鳥撮りでは被写体にギャラを払わない。それゆえか、今日では多くの人がファインダーを覗き、いい写真を撮りたくて営巣する場に近づく。すると、野鳥はストレスを感じ、いなくなってしまう。そんな現状を憂うと表情は一変し「被写体を大事にしろよ」。手の届く範囲で傷ついた友達を見つければ保護して病院に連れて行き、「撮らせてもらうからね」という心で向き合う。優しき鳥撮りがここにいる。

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