全国公募団体IAC美術会湘南支部の支部長を務める 山岸 和子さん 南金目在住 75歳
工芸の魅力楽しんで
○…茅ヶ崎市民文化会館で全国公募団体IAC(インターナショナル・アートセンター)美術会湘南支部の工芸展を3月23日(土)まで開催している。平塚や茅ヶ崎などを拠点に活動する支部会員19人のほかに県外の作家も加わり、陶芸や鎌倉彫、漆、籐・皮細工、切り絵、ガラス、押し花などの作品およそ100点を一堂に発表。「分野が多く、いろいろな工芸品を見て楽しんでいただけたら嬉しいです」と語る。
○…長野県に本部を置くIAC美術会のメンバーと知り合い、その一員に。同会主催の美術展に鎌倉彫を出品している。2011年、椎の木の大鉢に波の文様を飾った作品で文部科学大臣賞を受賞した。地元の湘南地域に工芸の輪を広げようと、同会本部の協力を得て06年に仲間と湘南支部を結成。以来、支部の工芸展を毎年開き、今年で14回目を数える。
○…米どころや北前船の交易で栄えた山形県は酒田市の出身。子どもの頃から生活の中に漆器があった。「口あたりが優しくて手にしっくり馴染む。家に人を呼んで食事を出すときに漆器を使ったものです」。鎌倉彫との出会いは40年ほど前。教室に通い、技術を身につけた。彫りの後の工程の漆塗について独学で試行錯誤を重ね、輪島塗の工芸技術所を訪ねて研究するなど、「よいものを作るために何でもやってみたい」と意欲的に制作に取り組む。花水公民館や西部福祉会館で鎌倉彫の教室を主宰。90代も混じる生徒たちから「教えていただくことが沢山」とほほ笑む。
○…葡萄の図柄をあしらったワインクーラー、桜の花と幹を彫った箪笥や姿見などは、年月を経て理想の漆の色が表れてきたそう。「人に譲れなくて」というのも理解できる。美術館めぐりが好きで、一人でゆっくり鑑賞するのが楽しい時間。
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