栁川起久雄家古文書講読会の代表を務める 和田 速男さん 伊勢原市在住 71歳
歴史ににじむ郷土愛残す
○…母の実家でもある栁川家(北金目)の古文書解読を始めて5年、親戚や関心のある仲間と共に50点を、今月25日から平塚市博物館で展示する。古文書を通し、「中郡の大庄屋」として村を束ね、それを維持するにはそれだけの努力が必要だったのだと読み取れた。「年貢を安くしてほしい、と訴える筆跡から、金目川の氾濫で田畑の被害にあった村人の気持ちを思いやっているのが伝わってきた。400年、家を維持するには自分たちだけでなく、村全体の利益を守り、還元していこうと考えたのでは」と、先祖の仕事ぶりを垣間見た気がした。
○…生まれも育ちも伊勢原市小稲葉。教員だった父の影響もあり、歴史が好きだった。栁川家には、祖母にかわいがられた思い出が詰まっている。「1畳くらいの囲炉裏があり、よく来たな、と声をかけてくれた」。刀や槍が飾ってあり、手水場に向かう長い廊下などは少し怖かった。
○…2010年から地域の歴史の掘り起しや保全、調査を実施する「Isehara・おもてなし隊」のメンバーとして活動している。大山詣りに訪れる参拝者の夜旅の安全のため、江戸時代中頃に立てられたとされる大山灯籠を、地域に残る文化として保護しようと奔走。念願叶い、17年3月に「登録無形民俗文化財」に指定された。
○…今後力を入れたいのは「地域を記録し、残していくこと」。おもてなし隊として地蔵展の実施や、どんど焼きの調査に取り組む。学校から帰れば友達とチャンバラ、家の裏に氷が張ればスケート遊びに明け暮れた少年時代と重ね「子供たちは減り、地域の行事も規模縮小の傾向にありますが、地域の子が夢を持てるように、楽しい行事を発展させていきたい」と郷土愛を広めていく。
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