落合克宏市長は1月29日の記者会見で、湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーン整備・管理運営事業の優先交渉権者を選定したと発表した。市長は「平塚の海岸に最もふさわしい提案に決定した」と述べた。
同事業は、龍城ケ丘プール跡地周辺の海岸に面した約3万平方メートル(東西約500m・南北約60m)に公園を整備する計画。
市は、パークPFI(公募設置管理制度)の手法を活用し、公園の整備・運営を委託する事業者を公募。4グループから応募があった。
各事業者の提案は、学識経験者らで構成する選定委員会が審査。その結果を受け、市は、積水ハウスを代表企業とする「平塚Seaside Park共同事業体」を優先交渉権者に選定した。
同事業体は「ビーチ ライフ ベース ヒラツカ」のコンセプトを提案。施設概要によると、公園には、マルシェ棟とカフェ棟、エントランス棟の3つの建物をはじめ、芝生広場やイベントプレイス、スポーツフィールドなどを配置する。
マルシェ棟は地元の特産品や軽食などを提供し、市の魅力を発信する考え。屋外に飲食できるレストランスペースも設置する。エントランス棟の屋上は、夕陽の景色を楽しむサンセットテラスとし、津波避難施設の機能をもたせる。駐車場は東西に各60台を配置、敷地内に滞留地を設け、道路渋滞が起こらないよう配慮する。原則有料とし、利用時間は午前5時〜午後11時とする見通しだ。「市民協働の森」とする西側の約6千平方メートルは今後、市民とのワークショップを通じ、活用を考える。
市の負担額は、整備費約10億円と20年間の維持管理費約4億5千万円の約14億5千万円。整備費のうち約4億5千万円は国交付金を充てる。事業者は市に年間約370万円の使用料を収める。
市の説明によると、公園利用者数は年間76万人を想定。海岸エリアの回遊性を高めるため、新港からビーチパークまでの浜辺の散歩道を龍城ケ丘まで伸ばす検討もする。
景観や安全性への配慮 強調
同事業を巡っては、民間提案を公募する事業手法のため、事前に計画の具体像が示されず、樹木伐採による景観や安全性への不安の声が寄せられていた。落合市長は会見で「こうしてプランをお示しすることができたので、そういったこと(不安)は解消されると考えている」と述べた。
総建築面積は要求水準書で最大2300平方メートルとしていたが、提案では3棟あわせて約990平方メートルに抑制。既存樹木をできる限り残し、新たに植栽をすることで、緑化率は現在の五十数パーセントからほぼ変わらないとの見方を示した。
樹木伐採による高潮の影響は「公園の地盤高さが県が定める防護基準を上回る8mに上げていることから防ぐことができる」と説明。津波に対する地盤高も確保されており、「樹木による津波の緩衝機能は大きく期待することができない」と影響はないと説明した。飛砂機能についても「しっかりと飛砂防備がされる計画だ」と述べた。
市は3月に地元説明会を開くなど、市民の意見を踏まえながら公園整備を進める構え。2021年9月まで設計を協議し、22年1月に着工、同12月の供用開始を目指す。市長は「提案をもとに市民の意見や関係機関との協議で必要な調整をしてより良い公園計画としたい」と話している。
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