日本認知症ケア学会理事長で東京慈恵会医科大学教授・繁田雅弘さんの空き家となった実家を活用して、2019年7月に開設された認知症啓発拠点「SHIGETAハウス」。
地域の医師や医療・介護関係者、編集者、映像プロデューサーらがプロジェクトを立ち上げ、認知症になっても地域で安心して暮らせる「共生」を軸に、まちづくりに取り組んでいる。
定期的に開かれている「平塚カフェ」は、認知症の当事者とその家族が集まり、お茶やコーヒーを飲みながら情報交換をしたり、悩みを相談したりするなど交流を図る。一方で認知症に対する地域理解は欠かせないとして、誰でも参加できるオンライン形式のカフェも開く。同プロジェクト副代表で湘南いなほクリニックの内門大丈(ひろたけ)院長は「認知症になると引きこもりに陥りやすく、心身の健康にも良くない」とし、「心おきなく安心して過ごせる居場所は必要」と訴える。
認知症に対する偏見や誤解が色濃く残る現状を踏まえて、啓発活動にも積極的だ。昨年2月には「いのちの授業」と題し、江陽中学校で出前授業を実施。認知症の症例を一方的に押し付けるのではなく、「もしも自分が認知症になったら」と仮定し、何をしてもらいたいかを考えさせて、若者世代に「自分ごと」として捉える関心の芽を植え付けた。
内門院長は今後予想されている認知症の増加に触れながら認知症啓発拠点の必要性を訴え、「同じ志を持って地域ごとに特色ある拠点が増えれば平塚市はもっと住みやすくなる」と話していた。
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