2021年は丑年。コロナの終息が願われる中、疫病にまつわる伝説が残る牛の石像が、市内城所の貴船神社にある。石像を設置したとされる石塚萬兵衛氏の子孫の三嶽嘉保さん(74)は「疫病からの守り神」と話す。
貴船神社(城所343)境内にある三面大荒神前に祭られた臥牛(がぎゅう)の石像は日露戦争の戦勝祈願に造られたもの。これを造ったのは当時の大地主で有力者だった石塚萬兵衛氏。この石像は疫病にも深い関わりがあった。
地域の守り神
石塚萬兵衛の玄孫で、城所氏子会の三嶽嘉保さんによると、1923年の関東大震災で地滑りが起きたことから、当時の設置場所である城所山から石像が崖下に落下し行方不明になった。村人総出で探したというが見つけられなかったという。
翌年、村中に赤痢が流行し村人数十人が隔離される事態に。村人たちは「何かの祟りではないか」と当時城所に住んでいた女性の霊媒師に相談すると、「牛が出たがっている」と場所を教えられ、掘ってみると牛の石像が見つかった。やがて赤痢は終息したという。
石塚萬兵衛がなぜ石像を造るのに牛を選んだかについては分かっていない。三嶽さんは牛が荒神の守護神とされる地方があることや、近くにある浄心寺の本尊が丑年生まれだからなど諸説あると推測している。
貴船神社に設置されている牛の石像と対になる石像が日清戦争の際に造られ、三嶽さんの兄の石塚崇さんの屋敷内に安置されている。2体は牡と牝とみられる。
三嶽さんは「この牛は疫病からの守り神だと思っている。コロナが流行っている現代で、ぜひ参拝を」と話した。村で赤痢が終息したとされる1924年から長い月日が流れた2021年の丑年に、再び臥牛の石像に期待する人々もいる。
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