元麻布ギャラリーで14日まで「びん細工展」を実施している 伊東 幸子さん 明石町在住 87歳
秘密の「びん細工」伝え
○…フラスコ型の丸いガラス瓶に、びんの口よりも大きな手まりやかご、ちりめん細工を入れたミステリアスな工芸品「びん細工」を趣味で制作している。これまで作ってきた約40点の作品を元麻布ギャラリー平塚(明石町)で14日(日)まで展示中だ。びん細工は口伝えを基本として伝承されてきた技術。「私にびん細工を教えてくれた大叔母は、和裁の稽古の合間に、一人ひとり、屏風の影で先生からびん細工の技を教えられたとか。この技術が消えてしまわないよう、たくさんの方にご覧いただきたい」と伝統技術を紡いでいく。
○…びん細工との出会いは大叔母が贈ってくれた初節句のお祝い。お雛様と一緒に飾られる花の飾りがあしらわれた赤い手毬入りの作品は、子どもながらに不思議で興味をそそられた。「ずっと心に残っていて、自分で習いたいと思ったのは30代の頃。知り合いに紹介してもらったおばあさんに習いました」と幼い頃の憧れそのままに作品作りに没頭した。
○…小児科医60年の節目となる一昨年3月に引退。終戦後に父が開業した「雲出小児科」(明石町)を継ぐ前は、都内の大学病院で新生児や未熟児などを中心に診察した。「大学病院に勤務時代、当直の晩に時間があると、母がセーターを作ってくれたのと同じように、私もよく編み物をしていました」。多くの子どもたちを診てきた手には、手仕事の習慣が染みついている。
○…元気の源は「やっぱりベルマーレ」とにっこり。1994年からホーム戦はほとんどスタジアムで観戦している。着用しているユニホーム番号はサポーターが身に着ける「12」。「選手はみんな孫みたいなもの。今年も湘南らしくたくさん走って戦ってほしい」と声を弾ませていた。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>