6月に湘南ひらつか七福神会の会長に就任した 中谷 啓秀さん 榎木町在住 40歳
若い感性で寺院盛り上げ
○…平塚市内の7つの寺や神社で構成される「湘南ひらつか七福神会」の会長に6月就任した。「御朱印なら今の社会状況でも楽しんでもらえるのでは」。交流のある寺院と昨年始めた七夕御朱印を今年、七福神会にも拡大した。「緊急事態宣言中、どこにも行けないからかお参りに訪れる人が増えました。御朱印ファンを通じて、平塚の七夕まつりの文化も知ってもらえたらうれしいです」とほほ笑む。
○…馬入山蓮光寺の長男として生まれた。小さい頃から跡取りであることを繰り返し言われ、先代住職の父への反抗心から浜岳中卒業後はイギリス・サフォーク州へ単身渡英。日本人学校で寮生活を送った。「父は超行動派で、国内の学校だと追いかけてきそうだった。よく渡英したなと今は思いますが、高校生活は財産です。さまざまな国籍の人と関わり、ものごとの多様な見方を学べました」。寺の住職となった今も「とにかく耳を傾けること。正解は一つじゃない」と教訓は深く染みついている。
○…「坊主になったら、その後は好きにしていい」という父の言葉とともに、僧侶の資格をとるため高野山大学へ。院も合わせて6年の修行を終え、家族に連絡を取ると、父が末期がんだと告げられた。「修行中は連絡もとれず、自分だけが知らなかった」。父は入退院を繰り返し、寺のことを教わる間もなく亡くなった。寺を継ぐ覚悟を決めるより先に、25歳で住職となった。
○…「住職としてまだまだですが」と前置きしつつ、寺を喫茶店や公園のベンチのような地域に開けた場所にしたいと意気込む。「年齢も若いですから、フットワーク軽く、ざっくばらんに話せる存在になりたい」。目指している住職像は、父の姿と重なっている。
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2022年5月13日号
2022年5月12日号