「かながわブランド」に新規登録された「幻の平塚クリマサリ」。生産を行う湘南農業協同組合甘藷部会(馬鳥晴夫部会長)は、大野地区の18の農家から構成され、「地元平塚のクリマサリを多くの人に知ってもらうきっかけになれば」と、かながわブランド登録が第一歩となった。
地元文化を絶やさない
3年前に就農した笹尾美香さん(41)はFarm330を立ち上げ、3つの圃場を一人で切り盛りする。豊田と岡崎の圃場では、年間30〜40品目の野菜を栽培し、あさつゆ広場やヨークマート南原店に卸している。クリマサリを栽培しているのは御殿の圃場で、9月から収穫が始まり10月中旬まで作業が続く。「クリマサリは皮が薄く細長いため、掘るのが難しい」という。さらに高齢化などもあり、生産者が減ってきている。そんな中、笹尾さんは「地元の方がつないできた文化を絶やしたくない」との思いで、昨年からクリマサリの栽培を始めた。
多様性を伝えたい
南原で生まれ育ち、子どものころから祖母が栽培するクリマサリを食べていたため、馴染みが深かった。「クリマサリはホクホクしていて、素揚げするだけでもおいしい」と笑顔。現在は、3人の子どもを育てながら専業農家として奮闘している。農家として働く背中を見せることで、「子どもたちが農業に対し身近に感じてくれれば」と話す。さらに「クリマサリはくねくねしていたり、形も大きさも様々。農業を通して多様性を訴えたい」と続ける。
同部会ではクリマサリの生産量を増やすため、共同圃場での生産を試験的に始めている。「熟練の技術を学べる良い機会。後進を育てる場になっている。みんなでクリマサリを守っていきたい」と前を向いた。
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